「歯科医院地域一番実践プロジェクト」岩渕 龍正
2013/09/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
歯科医院に特化したコンサルティングの現場を小説形式で体験できる一冊です。まず、最初にやることは、スタッフとの信頼関係の構築です。信頼関係なくして組織を良くしていくことはできません。
そのためには、スタッフに感謝する。話を聴く。改善提案があれば、採用する。こうやって信頼関係を構築するのです。
・簡単にできて、効果の高いものがある。それは『感謝する』ということなんだ(p84)
保険診療に頼っている病院では、国家財政が厳しい中、今後も収入が減っていく可能性があります。生き残っていくためには、自費診療の比率を増やしていくしかない。そのために、スタッフの協力が必要となるのです。
自費診療で顧客を獲得するためには、スタッフによる高度なサービスと技術が必要となります。そのためにも、スタッフとの信頼関係を作り、品質とサービスの改善に協力してもらう必要があるのです。
・社会保険が赤字に陥っていて、医療費の抑制や保険財政の健全化が求められている・・・やはり、自費診療を伸ばしていくしかない・・・最終的には自費率45%ぐらいまでに持っていった方がいい(p130)
医院の質を変えていくためには、スタッフの仕事の質を変えていく必要があります。スタッフにその必要性を理解してもらって、通常の仕事にプラスアルファを加えてもらう。プロジェクトチームを作って、目標に向かって活動してもらう。
院長が動かなくとも組織が動いてくれる仕組みを目指します。もちろん、院長の命令ではなく、あくまでスタッフに相談し、スタッフの了解のもとで仕事を進めるのです。
・プロジェクトチームが機能しだしたら、院長が『こうしたい』と思ったことは基本的にはプロジェクトチームのメンバーに相談して、やってもらうことが大切だ(p169)
歯科医院に限らず、あらゆる組織に当てはまるリアルな小説だと思いました。値段以上の価値があると思います。復刊を期待します。
岩渕さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・個人面談を始める前に、きちんと趣旨を伝える・・・普段、診療中は話す時間がないので、なかなか、言えないことをこの機会に教えてほしい。改善できることは改善していきたいと考えています(p45)
・ホワイトボードに表にして書き出し、毎月、ミーティングで目標に対して、実績がどうなっているか確認する・・・(p146)
・スタッフとの信頼関係を修復するための秘策として、『ありがとう運動』をやってほしいんだ・・・スタッフが何かしてくれたら、必ず、『ありがとう』って言うんだ。(p85)
・医院の方向性を明確にし、それを具体化するための方法を検討し、皆の共通認識を得る場がミーティングなんだ・・・伸びている医院ほど、ミーティングを重要視している(p109)
・大切なのは相手の感情に共感してあげることなんだ・・・『そう、それは大変だったね』(p274)
・医院一体化のために、スタッフの誕生日のときは、お誕生日会を開くのはいいよね(p253)
・評価システム作成ポイント・・・テクニカルスキルは技術がどれくらいあるかってこと・・・ヒューマンスキルっていうのは、簡単に言えば人間性・・・コンセプチュアルスキルは簡単に言えば考える力・実行する力(p336)
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【私の評価】★★★★★(94点)
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目次
第1章 成功への準備
第2章 成功への階段を駆け上がれ!
著者経歴
岩渕 龍正(いわぶち りゅうせい)・・・経営コンサルタント。学習院大学経済学部卒業後、船井総合研究所入社。修業後、歯科医院経営活性化プロジェクトチームを自ら立ち上げ、人脈なし、ノウハウなし、経験なしの状態から地域一番医院を続々誕生させる。2004年、この業績により社長賞を受賞。2005年に独立。妻の泉とたった2人で経営戦略研究所株式会社を起業し、代表取締役に就任。本書でも勧めている「夫婦経営」を実践。起業からわずか5年で年商3億円の国内中堅規模の経営コンサルティング会社に成長させ、自分が抜けられる体制・仕組み・組織を確立。2013年現在、経営コンサルタント8名、クライアントは常時100件を超える。
読んでいただきありがとうございました!
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