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「北条家の叡知―日本最強の一族」加来 耕三

本のソムリエ 2013/04/20メルマガ登録
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北条家の叡知―日本最強の一族


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 源頼朝と北条政子が結婚した縁から、北条氏は、鎌倉幕府の中心的な勢力となります。鎌倉幕府といっても、実態は関東の武士、源氏勢力の集まりにすぎません。源頼朝が源氏の棟梁として担がれたのは、血筋と、手堅い判断ができる能力だったのでしょう。


 著者は、源頼朝が二十年間も毎日写経を続けていたことから、源頼朝に先人の知恵に素直に従う手堅い政治家の姿を見るのです。


・「知恵は両刃の剣のようなもの」知恵をほこり、わが身が慢心すれば、やがては身を滅ぼすことにつながってしまう・・・己れの才覚を捨て去れば、無限の外の叡智を汲み取ることができるものだ(p119)


 源頼朝亡き後、鎌倉幕府を名実ともに全国を支配する幕府とするため、北条氏が政治を支配します。朝廷との勢力争いは、暗殺あり、戦争(承久の乱)あり、非常に不安定なものでした。そうした中で、鎌倉幕府が力を拡大できたのは、情報収集能力であり、謀略であり、ライバルを潰していく慎重さであったのでしょう。


・北条氏は常に、大敵と戦うおり、かならず内応者を相手陣営に放ってきた。否、相手方の主力を言葉巧みに寝返らせてきた、というべきか(p302)


 著者の分析では、日本には謀略家が少ないにもかかわらず、その中で北条氏は比較的謀略を使って勢力を大きくしていった例であるということです。そうした北条氏も鎌倉幕府とともに、弱体化していきます。栄える勢力は、いずれ衰える。


 こうした歴史の必然とは怖いものであり、日本人は謀略は短期的には成果を出すものの、長続きしないと思うようになってのかもしれません。


・「兵は詭道なり」・・・戦いはより卑怯な手を使った方が勝つということだ。禁止手であろうが、封じ手であろうが、おかまいなく、それを破って周囲に恥じず、後ろめたさを感じない者が勝利者となる(p154)


 歴史の基本のない私にとって、厳しい一冊でした。学習まんが「日本の歴史」を見ながら、読んでみましたが、まだまだ学習が必要です。加来さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

人は己れの絶頂期に、やがて間違いなく訪れる反動の季節を考えない。歴史を見渡してみると、真の英傑は己れの役割が終わったとき、静かに去っていく花道を事前に用意しているものだ(p196)


・頼朝と義経を対立させ、あわよくば朝権回復を策した後白河法皇の権謀術数は、歴史上、決して珍しいものではなかった。力を持たない弱小の者は、大きな力同士をぶつけ、漁夫の利を得ようと策すものだ。(p198)


・時頼には反面、冷酷な政治家としての顔が隠されていたことを忘れてはなるまい。この人物の凄さは、後者の、むしろ本性と思われる部分を、決して第三者に覚らせなかったところにあった。(p280)


・二度に及ぶ蒙古襲来は、中世日本において、他に例をみない異国との対外戦争であり、一つまちがえれば国家滅亡の可能性は決して小さくなかった・・・蒙古襲来を機に、幕府はこれら神社仏閣に対しても、直接、祈禱命令を出すことができるようになった(p335)


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【私の評価】★★★☆☆(72点)



著者紹介

 加来耕三(かく こうぞう)・・・昭和33年(1958)、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科を卒業。同大研究員を経て、歴史家・作家として著作活動を行っている。「歴史研究」編集委員。


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