「外国人投資家」菊地 正俊
2013/04/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■2007年の本ですので、やや古い感がしますが、
外国人投資家というものを学ぶ一冊です。
外国人投資家というハゲタカと言われますが、
ふつうに利益を求める合理的な投資家と
感じました。
外国人であれ、日本人であれ、
投資におけるリスクは同じなのです。
・3市場の売買シェアでは約半分を外国人投資家が占め、
2位の個人投資家は3~4割程度です。2005年末に・・(p69)
■外国人投資家の特徴は、
日本人よりも逆張りが多いということ。
つまり、ある程度のリスクを負っても
大きなリターンを目指す人が多いということ。
株価が下がっているときに、さらに下がるのでは、
と考えるのか、今が安値の買い時と考えるのか、
ということです。
・順張りが多い国内機関投資家と異なり、割安株に投資する
バリュー投資家、企業再建を目指すプラベートエクイティ、
企業の資金調達に絡んだ複雑な取引をするヘッジファンドなど、
外国人投資家には底値買いをする幅広い投資家層がいます(p202)
■日本では外国からの投資に危機感を持つ人が
多いようですが、ふつうの国家は外国からの投資を
呼び込もうと必死です。
なぜなら、外国からの投資が入れば、
国内経済のプラスとなるから。
どんどんハゲタカに
日本に来てもらいたいですね。
菊地さん
良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・海外では年金が国内株の主な買い手になることが多いのに、
日本では信託銀行による国内株の売却傾向が続いています。
日経平均が7600円台をつけた2003年度に、信託銀行は約6兆円
の株式を売却しました。日本株が中長期的に高いリターンを生む
という思いが強い外国人投資家から見れば、・・・
日本の年金がなぜ日本株を売却して、国債を買っているのか
不思議に思うようです(p84)
・外国人投資家は「Reform(改革)」や
「Deregulation(規制改革)」という言葉が大好きです。
外国人投資家は政策の細かいことはわからないので、
小泉前首相の「改革なしに成長なし」と繰り返したことは、
外国人投資家のフィーリングに合っていたといえます(p176)
・外国人投資家はM&Aの話が好きです。
欧米では企業が商品のように売買されるのが一般的
であるうえ、M&Aは世界的に増加しています(p207)
・英国のインターナショナル・フィナンシャル・サービス社
によると、世界のファンドの運用資産は1998年の33兆ドル
(約3800兆円)から、2005年には55兆ドル(約6300兆円)
に増えました。日本の銀行の総資産が760兆円、東証1部の
株式時価総額が約500兆円・・・(p229)
・買収して経営権を握るほどの株式(通常50%以上)を
保有しなくても、5%以上の株式を保有して積極的に
経営陣に働きかけ、経営内容の改善、株主価値の増加、
増配や自社株買いを求めるファンドはアクティヴィスト
(活動家)・ファンドやコーポレート・ガバナンス
(企業統治)・ファンドと呼ばれます(p48)
・2006年6月に成立した「金融商品取引法」によって、
機関投資家が5%超の株式を取得した際の大量保有報告義務の
特例措置が見直され、3カ月毎に翌月15日までの報告から、
2週間毎に5営業日以内に報告しなければならなくなりました(p55)
・靖国参拝問題は外国人投資家にとっては理解が難しいようで、
大局的見地から、経済的メリットが大きい隣国と仲良く
すればいいのにとの見方が外国人投資家には多くあります・・・
欧州でいえば、ドイツとフランスは第二次世界大戦を
戦った仲ですが、今ではEUやユーロを通じて
緊密な協力関係にあります(p155)
【私の評価】★★☆☆☆(68点)
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