「工学部ヒラノ教授の事件ファイル」今野 浩

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工学部ヒラノ教授の事件ファイル

【私の評価】★★★★☆(88点)


■東京大学→スタンフォード大学→筑波大学→
 東京工業大学→中央大学と渡り歩いた著者が教える
 大学の秘密です。


 これまで読んだ大学ものの中で、
 もっともリアルで、わかりやすい一冊でした。


・国立大学教授には、週1日の研修日が認められているので、
 本務に差し障りがない限り、週に1~2日の講演を大学に
 届け出る必要はない。一方、私立大学文学系教授の中には、
 昼日中にワイドショーに出演している人がいるが、あれは
 大学の宣伝・広報活動の一環なのだろうか(p10)


■まず、だれでも気になるのは
 お金の話でしょう。


 こき使われる非常勤講師。

 交際費がないので自腹を切る教授。

 アルバイトにいそしむ教授。


 大学の教授も、お金のやりくりに
 苦労されているようです。


非常勤講師の時給が4000円であるのに対して、
 専任教授に支払われている給与を週5コマで割ると、
 時給2万3000円になる。同じ仕事に対して6倍もの
 給与格差を容認するのは"犯罪"というべき行為である(p111)


■また、最近、報道されるようになった
 パワハラ・アカハラ(アカデミック・ハラスメント)。


 自分のゼミの学生を優遇する教授や、
 他人の論文を盗作する教授。


 昔から、
 変な教授はどこにでもいるようです。


 社会に出ていない分だけ、
 民間に比べて変な人が多いのかなあ、
 などと思いました。


・ライバル教授の研究室に所属する学生に対しては、
 絶対にAを出さないG大トンデモ教授。
 学生が提出した博士論文を、1年以上放置したS大の無責任教授。
 研究費がないという理由で、学生のアルバイト代を踏み倒した、
 T大の吝嗇(りんしょく)教授(p123)


■ネタが多すぎて、頭が混乱してきました。

 まだ、私は大学生活には適応できないようです。


 「大学」に興味のある人におすすめします。


 今野さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ひとたび助教授ポストを射止めた人は、
 人並みに研究・教育実績を積み、人並みに雑務をこなせば、
 40代半ばには教授に昇進する。教授になった後は、
 (研究費さえあれば)誰の干渉も受けずに、
 自由に研究に勤しむことが出来る(p27)


・"滞在費丸儲け"事件は、福岡出身の東工大助教授が九州大学に
 出張する際に、実家や友人の家に泊まるようなときにも発生する。
 地方に実家がないヒラノ教授は、残念ながらこのような恩典に
 浴する機会はなかった(p16)


・国立大学という組織では、学長以外には交際費は一切付かない
 ・・・長い間自腹を切って賓客を接待してきたヒラノ教授は、
 教授になって8年目に、50万円の奨学寄附金を頂くようになって、
 初めて接待問題から解放された(p60)


・東電・福島第一原発事故のあと、東電や原子力関係団体から
 研究費をもらっていた東大教授・東工大教授がやり玉に挙がった。
 しかし3000万円ならともかく、たかが50万円や100万円の
 奨学寄附金で買収されることはあり得ない。(p127)


・研究が3年にまたがって実施されるのに対して、
 会計処理は単年度で行う・・・お金を使い残すと
 返還処理が厄介な上に、翌年の支給額を減らされる
 可能性があるので、毎年ぴったり
 使い切らなくてはならないのである(p140)


・流動性の高いアメリカでは、二流大学の一流教授は、
 たちまち一流大学に引き抜かれてしまう。また業績が上がらない
 二流教授は解雇され、三流大学に流れていく(p39)


・アメリカの大学では、多額の研究費を取ってきた教授には、
 給与を増額した上に、教育負担や雑用を減らす方策が
 講じられている。(p141)


工学部ヒラノ教授の事件ファイル
今野 浩
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【私の評価】★★★★☆(88点)


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■目次

自宅潜伏1週間
経歴詐称
服務規程違反
幻の奨学寄附金
単位略取
違法コピー
大学という超格差社会
セクハラとアカハラ
研究費の不正使用
論文盗作とデータの捏造
領土略奪事件
キャンパス殺人事件
原発事故


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