「不動産のプロから見た日本経済の活路」長嶋 修
2013/01/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
不動産屋の長嶋さんの一冊です。サブプライム問題が起きた頃の書で、まだ自民党政権が与党の時代です。この時点で、民主党政権誕生と、民主党の失敗を予言しているところは、鋭いと感じました。なぜなら、民主党には政権を安定的に運営できるほどの能力がないからです。
不動産屋から見た日本の活性化策は、内需の拡大です。そのためには、住宅への消費税、固定資産税の見直しして中古住宅の価値を高めること。中古住宅市場の整備等も望まれるところです。。
日本の安全保障の観点では、食糧の自給率を高めることを提案しています。農業全体の売上高は約10兆円ですが、助成費用が約20兆円と、非効率なのが現代の農業市場だというのです。
・日本の住宅投資は毎年19兆円。これが、造ったそばから価値が落ち、25年程度でゼロという、大いなる無駄をずっと続けてきました(p126)
不動産投資は、投資ではなく商売のようなものという認識は正しいと思います。自分が大家になるわけですから、どういった不動産を購入するのか。家賃はどうするのか。お客様はどうやって確保するのか。お客様は満足されているか。メンテナンスはどうするのか。
不動産投資とは、金融商品への投資というよりは、事業や商売に近いのです。だから自分で修繕やリフォームしてもいいし、大家として入居者と交流してもよいのです。
日本の住宅は、空家が多くなっているようです。いずれ中古住宅市場のようなものができるのでしょう。長嶋さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・例えばAということについて調べたい場合、アマゾンや書店で10冊から20冊、その分野の書籍を購入します。・・・「はずれ」もありますが、人通り流すように全部読んでいきます(p190)
・お金は何のためにあるのでしょうか。もともとは、物々交換の不便さをなくすためにお金が誕生し、お金は主役ではないはずです(p233)
・アメリカでは・・・借り手が住宅を手放せば住宅ローンも自動的にゼロになり、それ以外の資産に債務が及ばないなど、貸し手責任を重視する傾向があります(p131)
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
目次
第1章 金融不安は私たちの暮らしをどう変えるか
第2章 ドル崩壊後の世界と日本
第3章 カサ増し経済の次にくる世界
第4章 ポスト成長経済社会の経済・政策提言
第5章 内需を安定させる不動産政策提言
第6章 人を幸せにするお金、資産、不動産とのつきあい方
第7章 ポスト成長経済社会を豊かに生きる方法―仕事と会社はどう変わる
著者経歴
長嶋 修(ながしま おさむ)・・・1967年生まれ。不動産コンサルタント。広告代理店、不動産デベロッパーの支店長・不動産売買業務を経験後、業界初の個人向け不動産コンサルティングを行う、株式会社さくら事務所を設立。らくだ不動産株式会社の会長も務める。
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