「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」金子 哲雄
2012/12/21公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
■あの滑舌の悪い流通ジャーナリスト、
金子 哲雄さんが亡くなりました。
41歳でした。
この本は、金子さんの半生、
そして発病、臨終のときまでの記録です。
まったく見事な
死の記録と言えるでしょう。
・自分にとって「生きる」ということは
最後の最後まで、引退せず、
全力を尽くすことだ(p156)
■突然の肺カルチノイドの告知。
腫瘍が気管を圧迫して
いつ死んでもおかしくない。
症例が少なく、
治療法はない。
そうした中、
仕事をセーブしながらも、
症状は悪化していきました。
常に「これが最後かもしれない」
こうした状態の仕事が続きました。
・毎回、「この仕事が最後かもしれない」と思って仕事に臨む。
そう思うと、ますます全力で取り組むことができた。
仕事ができる喜びを体いっぱいに享受することができた(p90)
■私も、「地上最強の商人」の成功の巻物で
「今日が人生最後の日であると心得て生きる」、
を読み上げてきました。
しかし、本当に
その心境となっているのか。
その立場にならないと
本当の心境には到達できないのでしょう。
でも、私もいずれは死ぬ。
その時まで、
きっとメルマガ出してるだろうな。
金子さんも最後まで仕事をしていました。
あなたは、最後までしっかりやりました。
ゆっくりお休みください。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・1秒でも長く、社会と関わっていたい。
社会との関わりをなくした瞬間に病状が悪化し、
そのまま死んでしまうのではないか。
気持ちばかり焦るが、しかし体は言うことを聞かない(p109)
・父いわく「お土産っていうのは、同じものに決めたほうがいい。
それを見たら、その人を思い出すきっかけに
なるようなものがいいんだ。それが仕事につながる」(p133)
・私の知り合いでランニングコストが高い女性と
結婚した人はみんな不幸になっている。
どんな奥さんと結婚するかで人生は変わる(p49)
・「咳、おつらかったでしょう」
私の顔をじっと見て、患者の立場になって
声をかけてくださったのだ。
その瞬間、私は号泣していた(p84)
【私の評価】★★★★☆(87点)
■目次
第1章 流通ジャーナリストと名乗って
第2章 昼も夜も時間が足りない
第3章 発病。あふれてしまう涙
第4章 最後の仕事は死の準備
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