「技術者の意地―読むだけでわかる品質工学」長谷部 光雄
2012/04/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
■ものづくりの現場では、
品質がばらつきます。
品質がばらつきすぎると、
顧客からのクレームとなる。
それを避けるために
品質管理が必要です。
・ロバスト性・・・製品に使われている技術の安定性を
高めれば、余裕度や安全率をそれほど大きくとらなくても、
問題が起きる可能性が少なくなりますからね(p59)
■この本では、センサーを製造する会社で、
その品質を設計から見直すという
ストーリーから品質管理を学びます。
物語形式なので、
実際の企業では、
正論がなかなか通らない。
やってほしいことを
やってくれない人もいる。
単なる知識だけでなく
人を動かす知恵も
必要である、
ということがわかります。
こうした知識だけではなく、
現場での実施の知恵を伝えていくことも
書籍の役割なのでしょう。
・コンサルタントの本当の任務は、
突き詰めれば人を育てることなんだ・・・
汎用性の高い方法論とそれを身に付けた人材が
システムの中核だ(p231)
■TOC制約理論、
ゴールドラットさんの「ザ・ゴール」に近い印象で
分かりやすい本だと思います。
専門書の知識だけでなく、
こうした本も出てくるとうれしいですね。
長谷部さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・全数検査をしても不良自体が減るわけではない。
検査で不良を見つけ出しても工程からの流出を防止できるだけだ。
根本的な品質改善対策ではないからね(p194)
・人間の免疫システムは二段階に分かれている。
多種多様な異物の侵入にも対処できる第一段階のシステムと、
一度経験した異物にはすばやく対応できるデータベースの
二段階システムである・・・親から子へ受け継がれるのは、
第一段階目のシステムだけ(p238)
・短期的目標を達成するやり方が得意なマネジャーは、
それなりの成果を上げて組織のヒエラルキーを
昇っていくことが多い・・表面的な項目や数値が
達成できればよいということであり、仕事の質の向上や
人材育成、技術力向上には結び付きにくい(p264)
日本規格協会
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
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