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「心が喜ぶ働き方を見つけよう」立花 貴

2012/04/23公開 更新
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心が喜ぶ働き方を見つけよう

【私の評価】★★★★☆(80点)


■311の震災では宮城県の女川、雄勝は、
 本当に壊滅的な被害を受けました。


 ほんとうに何もなくなってしまった。


 震災後、著者は週2回、
 東京と被災地を往復し、
 炊き出しなどをやってきました。


・震災から2週間・・避難所を回っているとき、ある国際医師が、
 「今の避難所の状況は、栄養の観点から見ると
  ソマリアの避難所以下だ」と言っていた(p35)


■そうした中で著者の心に浮かんだのは、
 なにもなくなってしまった
 雄勝町の漁業を復活させること。


 それは、商社マンとして流通を学び、
 食材を提供する会社を経営していた
 著者だから感じたことです。


 漁業の複雑な流通を壊し、
 獲った人の顔が見える漁業に
 可能性があるのではないか。


 著者は、雄勝の生産者から直接消費者へ
 海産物を送る「オーガッツ」を
 立ち上げます。


・農業の場合、「○○さんがつくったトマト」
 というのはあるが、
 漁業で「○○さんが育てた牡蠣」というのは
 ほとんど聞いたことがない。
 つまり、漁師は漁協に出荷すればそれで終了。(p121)


■こうした心の動くままに活動してきた
 震災ボランティアから著者は、
 大きなことを学びました。


 それは、心がグッとくることを
 やっていくと涙が出るということ。


 それまで事業家として仕事に打ち込んでも
 涙は出ませんでしたが、
 オーガッツでは涙が出るそうです。
 

 いい仕事をしていますね。


 立花さん、良い仕事を
 ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・僕がここ雄勝で本気で取り組む理由は、
 「すべてをなくした町がゼロから立ち上がった」
 というモデルをつくることが
 大切だと考えているからだ。(p55)


・仮に1品の牡蠣メニューが300円だとする・・
 仕入原価はメニュー売価の3分の1、つまり100円・・
 これが仲卸が飲食店に販売する価格・・
 仲卸は市場を経由して、その市場は仲買を経由して、
 仲買は漁協を経由して・・・
 漁師が漁協に販売する価格は、
 わずか15~20円だ(p122)


・無音で東北自動車道をひた走る。・・
 何かが自分の奥底から湧いてくるのを待っている。・・・
 そうすると不思議なことに・・
 アイデアや言葉が出てくる瞬間がある。(p62)


・解任された日・・・経営者としてしっかり稼ぐこと、
 それも継続的に稼ぐことが必要だと身に染みた。
 そうしないと、会社も社員も守れない。
 そして何より、経営者がワクワクしなくなったら、
 いいものは創れない。(p102)


・「勉強しろ」とはひと言も言わない母だったが、
 しつけには厳しかった。
 掃除はきちんとする。
 義を忘れない。
 ぼろは着ても心は錦。(p76)


・「チャレンジした結果の失敗は許す。
  ナイストライならいいんだ。しない後悔より、する後悔。
  何もしないで後悔するより、ダメもとでもチャレンジして、
  後悔するほうがいい」と言ってくれた。(p91)


心が喜ぶ働き方を見つけよう
立花 貴
大和書房
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【私の評価】★★★★☆(80点)



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