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「略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!」ジェームス・スキナー

2012/01/30公開 更新
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略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 日本国においては、国債発行は法律違反です。だから、毎年、特例法が必要となっているのです。ジェームスさんは現在の財政状況を金融詐欺と言っています。なぜなら、国債利払いを国債で行っており、ねずみ講と同じだからです。


 国はお金を作れません。税金として集めてばらまくだけ。ジェームスさんは、これを略奪と言っています。社会保障とは、本質的に人のお金を税金という形で奪っている泥棒ということです。


・国が国債で借りたお金が、社会保障でばらまかれて、もうどこにもありません。(p123)


 ここまでくれば、もう破綻するのは確実です。それを避ける/遅らせるためには、当たり前の形に戻らなくてはなりません。そのためには国債は発行しない。銀行は国債を買わない。社会保障、公務員給与は大幅減となるのでしょう。


 ジェームスさんの提案のように、公務員の給与は、国民の収入とリンクさせればよいとおもいます。現在は、天下りによって見えない形で水増しされているのです。


国家公務員の平均年間賃金コストは、恐るべき1336万円になっています!しかし、国民ひとりあたりの国民総生産が、330万円程度です。そして、世帯当たりの平均人員が2.7名・・・公務員の年間賃金(退職金の積み立てを含む)は、330×2.7=891万円にキャップされるべきです。(p244)


 この問題の本質は、本来、貯蓄され、銀行を経由して企業に投資・融資されるべきお金が、社会保障としてばらまかれ、なくなってしまったことです。企業で設備投資や研究開発として付加価値を生むであろうお金が、税金で官僚に使われてしまっているのです。


 ジェームスさんの意見は、国にはなにもしないでほしい、ということです。お金を税金として、収奪しないでほしい。規制で自由な経済活動を邪魔しないでほしい。民間の経済活動を、官僚は邪魔しないでほしいということです。日本は一度沈没し、夕張市のように、また一から始めなくてはならないのでしょう。ジェームスさん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・お金とは、「あなたが今提供している価値と同等なものを将来あなたにあげるよ」という約束です。(p36)


・政府のお金はありません。すべてが国民のお金なのです(p48)


日本の赤字の本当のコストは、1050兆円が企業の資本にまわらなかったこと・・・このお金はすべて政府に盗まれ、その結果、経済がダメになったのです(p162)


・政府が経済活動に介入すればするほど、国が行き詰る(p175)


・漁業組合の許可が必要になる・・・田植えをするときに助成金をもらい、植えないときも減反政策と呼んで助成金をもらい・・テレビ局で何回も農協や漁協に関する発言を控えるように言われてきました(p216)


最低保障賃金・・・実際は逆効果になるのです・・・最低賃金を一時間1000円に設置すれば、一時間1000円の価値を作り出せない人は雇ってはならないということ(p128)



【私の評価】★★★★☆(84点)



目次

第1章 お金の量が問題だ!
第2章 国を無借金にせよ!
第3章 銀行は本業に徹せよ!
第4章 これからはどうなる?
第5章 問題が山積している!
第6章 本当の平等を実現せよ!
第7章 日本に栄える道あり!


著者経歴

 ジェームス・スキナー (James Skinner) ・・・1964年、アメリカ合衆国生まれ。現在、世界を旅しながら生活を送っている。アメリカ国務省、財団法人日本生産性本部の経営コンサルタント、フランクリン・コヴィー・ジャパン会長、2000億円の資産を運用するヘッジ・ファンドの会長、多くのテレビ番組を盛り上げる経済評論家の経歴をもつ


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