「ある女性広告人の告白」小池 玲子
2012/01/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■ダイヤモンドのデビアス社の
ブランドキャンペーンを手がけた
小池さんの一冊。
「婚約指輪は給料の三ヵ月分」というのは、
すっかり日本人に浸透しています。
こうしたイメージキャンペーンが、
広告戦略としてしっかり計画されたものである
ということには、恐怖感すら感じました。
・デビアスと代理店はエンゲージメントリングの価格
ガイドラインを設けなければならなかった・・・
ここで有名な「婚約指輪は給料の三ヵ月分」といった
ガイドラインができた・・・しかし、三ヵ月分は日本のみで
フランスは二ヵ月、南米の国は一ヵ月だった(p36)
■外資系のブランド戦略は
長期的に考えるようです。
長期的なブランドを
育てていくという視点。
そういう意味では、
日本のブランド戦略は、
まだまだかもしれませんね。
・マシュー・ハート著の『ダイヤモンド』の紹介文・・・
「ダイヤモンドは驚くほど役に立たない・・・」
しかし、ダイヤモンド=愛というブランドバリューが、
人々の心にすり込まれ、世代を超えて受け継がれていく(p65)
■さらにこの本では、ブランド戦略だけでなく、
外資系広告代理店ならではの
異文化コミュニケーションが興味深いところです。
日本人の感覚で作った広告を
小池さんは外国人のクライアントに
説明しなくてはならない。
いかに日本人らしい広告について
了解を取るのか、小池さんの苦労が
伝わってくるようでした。
・英語の上手でない私が考えだしたのは、
次のような対応だった。
まず、「あなたのおっしゃったことは理解しました」
と言って・・・間を置かず、
「しかしながら」と続けるようにした(p97)
■小池さんの冷静さのなかに、
一流のプロフェッショナルの考え方が
流れているような一冊でした。
外資系での仕事を考えている人には、
ぜひ読んでいただきたい。
小池さん、
良いお話をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・外国人から知らされた日本人の特性・・・
日本人は儀式好き・・・
日本人は贈り物好き・・・
日本人は本物好き(p34)
・私は若いクリエイターに、
発想の段階では小さくても、下手でもよい。
自分の手でスケッチするようにと言っている。
自分の手こそが、無限の可能性を生み出す(p201)
・外資系の化粧品は・・・
美しい白人女性を登場させ、
その優位点を誇張して表現することにより
日本女性の劣等感をかきたて、
商品に興味を抱かせる手法(p150)
・上司の外国人や営業の外国人からも必ず
次のような質問がきた。
「これはキャンペーンとして長く広く展開できるか?」・・・
言い換えれば、
何年も使えるアイディアかという意味(p59)
・一緒に成長していきましょう。
これが従来からの外資系広告代理店のスタンス・・・
「一つの業種に、一つのクライアント」(p204)
・クライアントの外国人は、
「発言しないのなら来なくてよい。
仕事の内容を理解し、実際動かしていく人が
一人来てくれればいいのだ」と言う。(p76)
・日本人はあまり目を合わせて話をしない。
しかし外国人にとって、アイコンタクトは大変重要な要素。
目を合わせないことは自信のない証拠と思われる(p106)
【私の評価】★★★★☆(88点)
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