「人はなぜ眠れないのか」岡田 尊司
2011/07/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
だれでも一生のうち三分の一は寝ているわけで、このどう寝るかということが、生活に大きな影響を与えます。今日の本では、自分の睡眠の最適化のために、眠りの基本を勉強します。驚いたのは、電気がない時代には、人は九時間寝ていたということです。そして、寝る前に数時間うとうとして、真夜中に目が覚めるという2分割で睡眠をとっていたということです。
したがって、ベッドですぐに眠れるというのは、うとうとする時間がないので睡眠としては不十分なのです。ですから、さらに疲れているのに眠れないとすれば、「不眠症」という病気と判断されるわけです。
・自然の眠りにおいては、むしろ入眠に二時間くらいかかり、途中覚醒が二時間くらいあって、朝も早く目が覚めるということが普通なのである。横になるとすぐに眠れる状態は、睡眠負債を抱えた過労の状態で、必ずしも理想的とは言えないのだ。(p106)
早く寝るのは難しいものですが、やはりテレビやパソコンなどを消すことが効果的なようです。また、読書催眠法といって、寝る前に読書をするのも効果的です。しかし、こうした努力をしても眠れないとしても、目を閉じて休息することが大事なのです。睡眠は、高度な脳神経をもつ生物にとって大切な生活習慣であり、健康とパフォーマンスを維持するために必須の事項です。
この本で睡眠の基礎を学び、理想の一日を設計していただきたいと思います。岡田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・二十四時間動き続ける現代社会を維持していくためには、シフトワークが不可欠となった。現在、アメリカでは男性の四分の一以上、女性の十七%が、交代勤務で働いているという(p54)
・ダビデ像などで知られる彫刻家のミケランジェロは、頑健な体躯の持ち主で、一日四時間しか眠らずに、仕事をし続けたと言われる(p44)
・体内時計は光によって調節されている・・・わずかの光でも影響を及ぼすほど、体内時計がデリケートである(p78)
・コーヒーを飲むといった至極当たり前の生活習慣も、人によっては睡眠に大きく影響していることがある(p142)
・ある種のイルカで、大脳半球の片方ずつが交代で睡眠をとる半球睡眠により、眠りながら泳ぎ続けることができる(p65)
・馬や牛は一日三時間しか眠らなくていいが、ネズミが十三時間、猫が十五時間眠るのは、猫の脳が馬より発達しているからではなく、体の大きさの違いによるところが大きい(p67)
【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
第1章 もっとも多くの人が悩む病、不眠症
第2章 長い夜との闘い―睡眠と不眠をめぐるドラマ
第3章 人はなぜ眠るのか―睡眠のメカニズム
第4章 不眠症にはタイプがある
第5章 不眠症を克服する
著者経歴
岡田尊司(おかだ たかし)・・・1960年、香川県生まれ。精神科医。医学博士。作家。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務。山形大学客員教授。臨床医として現代人の心の危機に向かい合う。
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