「おまんのモノサシ持ちや!」篠原 匡
2010/07/30|

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【私の評価】★★★★☆(86点)
■「石ころも宝の山にできるがよ!」という
サブタイトルがすごい。
実際、土佐の反骨デザイナー梅原さんは、
砂浜を美術館にして観光資源にしたり、
間伐材を学習教材として売り出しています。
・「私たちの町には美術館がありません。
美しい砂浜が美術館です」
という砂浜美術館のコンセプトは町づくりの基本理念になり、
多くの町民に共有されている。(p83)
■企画会社に丸投げで企画し、予算をつけて、
イベントを開催することはよくあると思いますが、
梅原さんは全面的に否定しています。
有名人を連れてきてイベントを開催するだけでは、
地域は良くならない。
地域ならではのイベントを作り、
それを文化にまでしないといけないという
強い思いがあるように感じました。
・おまんらは芸能プロダクションか!
何百万っちゅうカネつこうて、
タレントを呼んで、ステージを構えて、
歌ってもらって、
『ヤッター、人が来ました』って、
これのどこが地域のためになっちゅうがぜよ!
行政も地域も『地域をどうする』っちゅう
考え方がないからやろうが!(p67)
■「地方の活性化」と多くの人が口にしますが、
本当の意味での「地方の活性化」を行動で
目指している人だと思いました。
本質が見えるだけに、普通の人の
いい加減さが許せないのでしょう。
良い人を教えてもらいました。
篠原さん、良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・どんなに札束を積まれても、情熱がなく、
梅原の考え方と相容れない
クライアントの仕事は受けない。(p12)
・Tシャツアート展・・・
「10年たてば文化になる。
10年は絶対に続けなさい」(p76)
・商売はこころざし。
顔と顔を突き合わせてこいつはエエな、と
思うたところから商売は始まるんじゃ。
自分の考え方や人格を表明せんと、
誰がものを買うてくれるか(p159)
・「おまえはアホか。なぜカネを取らん。
カネを払ろうて飲むから消費者も
本当の価値がわかるんと違うか」
畦地の企画書には「無料の試飲会」と
書かれていた(p157)
・公募で決める・・・県庁の担当者を叱りとばした。
「おまんらには文化に対するビジョンがあるンか。
全体設計も持たずに、
『今年は梅原デザイン事務所、来年は△△事務所』
って毎回変えるンか。エエ加減にせえよ(p191)
【私の評価】★★★★☆(86点)
■著者紹介・・・篠原 匡(しのはら ただし)
1975年生まれ。『日経ビジネス』記者。
1999年日経BP入社。
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