「日韓がタブーにする半島の歴史」室谷 克実
2010/05/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
天皇家の祖先は朝鮮人?日韓の神話は似ている?稲作は韓国から伝わった?日韓の歴史認識については、かなりいい加減な議論がされているとは聞いていましたが、その中身がよくわかる一冊です。
「天皇家の祖先は朝鮮人?」については、日韓で人の混血が進んでいたのは確かなようですが、倭王の出自はどこと書いたものはないのです。逆に新羅には日本人の王がいたのではないか、と著者は疑問を呈しています。
・半島に初めて統一国家を築く新羅の基礎づくりを指導したのは、実は倭人・倭種であり、新羅も百済も倭国のことを"文化大国"として敬仰していた(p12)
また、「日韓の神話が似ている」については、韓国の神話(檀君神話)は四百文字しかなく、檀君神話を読むと、似ていません。「稲作は韓国から伝わった」については、中国・雲南省から東シナ海を経由して伝わったものであることが、DNA解析でわかっているのです。
・稲の日本への伝播が、中国・雲南省から東シナ海を経由して中国に達するルートだったことは・・・佐藤洋一郎(静岡大学助教授)を中心とするDNA解析を駆使した研究の成果(p67)
歴史とは過去のことであり、あまり解釈で議論しても仕方がありませんが、自分の考え方だけはしっかり持っておくべきだと思いました。
相手の考え方と自分の考え方を理解すれば、惑わされることはないでしょう。韓国側の対論を期待します。室谷さん、よい本をありがとうございます。
この本で私が共感した名言
・(韓国の)栄山江地域の前方後円墳は五~六世紀の築造と明らかになった。日本の前方後円墳は三世紀には出現している。(p80)
・新羅の主食は粟だった。新羅の滅亡から、およそ九百年後に"日帝"が凄まじい財力を投入して農業基盤整備事業を推進するまで、半島の庶民は銀シャリ(白米100%の米)など口にできなかったのだ(p69)
▼引用は下記の書籍からです。
新潮社
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【私の評価】★★★★★(94点)
目次
序章 陛下の「お言葉」ではありますが
第1章 新羅の基礎は倭種が造った
第2章 倭国と新羅は地続きだった
第3章 国民に知らせたくない歴史がある
第4章 卑怯者を祀るOINK
第5章 「類似神話」論が秘める大虚構
第6章 「倭王の出自は半島」と思っている方々へ
終章 皇国史観排除で歪められたもの
著者経歴
室谷 克実(むろたに かつみ)・・・1949(昭和24)年東京都生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部を卒業後、時事通信社へ入社。政治部記者、ソウル特派員、宇都宮支局長、「時事解説」編集長などを歴任し、2009年に定年退社。以後、評論活動に入る
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『日韓がタブーにする半島の歴史』を書いた室谷克実です。
よもや拙著を採り上げていただけるとは、考えてもおりませんでした。
たいへんに丁寧な書評に感激致しました。ありがとうございました。心から御礼申し上げます。
室谷克実