「日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト」古田 隆彦
2009/06/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
要約と感想レビュー
人口の減少がはじまった日本ですが、人口の歴史、そしてこれからどうなるのか、について教えてくれる一冊です。私には世界の人口の歴史が非常に興味深く読めました。
歴史を見ると、世界でも日本でも、ある壁を突破したときに人口が急増しています。その壁とは、石器を使うようになったとき、農業を始めたとき、工業が発展したときなどです。こうした文明の発展のときに人口は大幅に増加しているのです。
こうしてみると、人口というものは、社会状況によって人間が制御しているとも言えると思います。それは強制的なものではなく、そこに生きる人が、経済状況などから子どもを生むのか生まないのか選択しているということなのでしょう。
日本も人口が減っている状況に対し、「どうすれば増えるのか?外国人を入れるべきか?」などという議論がされていますが、著者は、日本の人口は減っていないと主張しています。つまり、老人の定義を六五歳以上から七五歳以上へ変えれば、働ける人は増えているということになるのです。
確かに60歳で引退するのは、ちょっと早いかなと感じるところもありますね。
・子どもの定義を十五歳未満から二五歳未満へ、老人の定義を六五歳以上から七五歳以上へ、それぞれ変えていけば、2030年ころまで「子どもは増え、老人は減る」のです(p10)
人口ということだけでも、調べるとこれだけ面白いということがわかりました。これからは、75歳くらいまでは働く社会にしなくてはならないようです。皆さん、60歳で失業しないように頑張りましょう。
本の評価としては、★2つとしました。
この本で私が共感した名言
・多くの途上国はもともと、それぞれのキャパシティに見合った範囲内に、自らの人口を抑制する文化的装置を持っていた・・・渡来したキリスト教の宣教師たちが、堕胎や嬰児殺しを廃止させた・・・以後の人口は急増へ転じ、やがて窮乏へ追い込まれました(p80)
・20世紀が農産物価格の低下する時代だったのに対し、21世紀は逆に上昇する時代になっていくでしょう(p152)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
著者経歴
古田 隆彦(ふるた たかひこ)・・・1939年生まれ。八幡製鉄所、社会工学研究所取締役研究部長を経て、1984年から現代社会研究所所長。
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確かにその時代時代の感覚や習慣、価値観によって
人口が決まってくるのだと思いました。
何人の人口が最適かなんて専門家が計算をして出した数字にしか過ぎない。
少子化だと言う日本は、人々がそう望んで少子化になったようだ。
(政府の政策や制度も影響はあると思うが。)