「冤罪弁護士」今村 核
2008/09/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
テレビで多くの事件を見ていて不思議に思うのは、「取調べは任意なのに、拒否する人がいないのはナゼ」「黙秘すればいいのに、逆に自白してしまうのはナゼ」ということです。
その答えは、「警察が有無を言わせず連れて行く」「自白しないと、20日拘留するなどと言って脅す」からです。
・これは警察が有無を言わせない空気で迫ってくるためです。(p183)
こうしたことは、「国家の罠」を読んで知っていましたが、具体的事例で、客観的な証拠よりも、自白や証言が優先される裁判が多いことを知ると、なにやら怖ろしくなってきました。冤罪は簡単に作られるのです。
私は、混んでいる電車では、チカンに間違われないように必ず両手で本を持って読んでいますが、それでも冤罪に巻き込まれる恐れはあるはずです。一度起訴されてしまうと有罪確実ですので、巻き込まれない、取調べられたら弁護士を付けるなど気をつけたいものです。
なかなかテレビでは取り上げない、いえ、取り上げることのできないテーマなのでしょう。本の評価としては★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・日本の刑事裁判の特色は、一言で「調書裁判」「精密司法」「人質司法」などと言われる。・・・否認しているとずっと釈放されず、有罪のときは量刑もはるかに重い(p13)
・検察官控訴により原判決が破棄される比率は、統計上、およそ三分の二にも達します。検察官控訴により一審の無罪判決が破棄されると、その裁判官は裁判所組織内で冷遇される傾向にある(p222)
・警察官が、偽証し、あるいは証拠を捏造することは、かならずしもめずらしくはない。(p56)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(77点)
著者経歴
今村 核(いまむら かく)・・・1962年生まれ。大学卒業後、1992年弁護士登録。現在、自由法曹団司法問題委員会委員長。
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