「「弱者」はなぜ救われないのか -貸金業法改正に見る政治の失敗」増原 義剛
2007/01/21公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
要約と感想レビュー
借地借家法、中小企業金融円滑化法、労働者派遣法、貸金業法という弱者救済のための法律は、さらなる弱者を生んでいると著者は主張します。「The road to hell is paved with good intentions(地獄への道は善意で舗装されている)」という格言がありますが、「保護すれば弱くなる」のが真理です。弱者は強くならなければ、弱者のままなのです。
確かに年収200万円以下のワーキングプアの人口が1000万人を超えているという数値は衝撃的ですが、主婦のアルバイトもいることを考えなくてはなりません。お金がなければ、お金を使わない生活をするという能力も必要なのです。頑張ればそれなりになるという、報われる社会が、あるべき社会の姿なのでしょう。
増原さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・改正貸金業法で定められた新たなルール、「年収の3分の1」を超える貸し付けを禁じた「総量規制」により、多くの人たちにとって緊急時の借り先が失われた(p43)
・格差拡大の背景には、時代が必要とする高い技能や技術を多くの人が持っていないという現実がある。所得再配分や最低賃金引下げでは対応できない(ジャラン・シカゴ大学教授)(p190)
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
目次
第1章 下流から最下流への転落
第2章 政治が失敗する理由
第3章 救済されなかった弱者たち
第4章 政治はなぜ間違うのか
著者経歴
増原義剛(ますはら よしたけ)・・・1969年東京大学法学部卒業後大蔵省(現財務省)に入省。主計局課長補佐、在英国日本国大使館参事官、国税庁・主税局・環境庁で課長。1995年大蔵省東海財務局長で退官。2000年衆議院議員に当選(2009年まで3回当選)。その間、内閣:総務大臣政務官、内閣府副大臣、国会:予算委員会と財務金融委員会の理事、自民党の国対副委員長、自民党:税制調査会幹事、財務金融部会長代理、金融調査会小委員長等。2011年広島経済大学教授、今日に至る
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