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「中国人を黙らせる50の方法―ああ言われたらこうやり返せ」宮崎 正弘

2006/10/11公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 中国についてマスコミから多くの情報が流れていますが、現実とかけななれた報道が多いようです。これは、中国共産党宣伝部が、組織的にマスコミの統制を行っているからです。


 例えば、瀋陽領事館に亡命しようとした北朝鮮亡命者が中国公安当局の警備員により敷地内から引きずり出された映像を共同通信社が配信しました。その結果、共同通信社は中国で記者のビザの継続ができなくなるなどの嫌がらせをうけたのです。想定内とはいえ、これが現実なのです。


 こうした情報統制を前提としたうえで、この本は、中国のマイナス面を教えてくれる一冊です。中国には、日本とかけ離れた商習慣、民度の低さ、パートナ―の裏切り、共産党からの嫌がらせ・脅迫、台湾(米国、日本)との戦争など多くのリスクが存在するのです。契約しても当初は守られても、長期的に契約が守られることは期待できないなど、中国でのビジネスは日本人の常識を超えているのです。


・割り箸は2008年北京オリンピックの年から中国製は入ってこなくなる。理由は森林資源保護ということだが、ホンネは国内需要が間に合わなくなったからだ。いつでも「約束を破る癖」が身についている中国人にとっては、もっともらしい理由をつけて契約を破棄することなどなんでもないことなのである。(p24)


 それでも、将来、中国共産党が崩壊し、民主化される可能性もあり、そうなれば中国は未開の巨大市場となるわけです。つまり、そうした混乱をも考慮した長期的視野を持った中国投資が必要なわけです。中国についてのプラスの情報が溢れるなかで、現場のマイナス情報を得ることのできる一冊です。より現実を知るために読む価値があると考え、★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・1970年代から80年代にかけて中国は南シナ海を実効支配に及んだ。とくに南沙および西沙諸島をめぐってベトナム、マレーシア、ブルネイ、フィリピンなどと軍事的に小競り合いもあったが、岩礁に軍事施設を電光石火の早業で建設し、「ここは昔から、中国の領土、文句あっか」と居座る。(p104)


・中国を相手にするには、人質に取られ泥沼に入り込まないよう入念な警戒が常に必要である。戦前、日本人が中国で何をされたか?上海事件、南京事件、済南事件、そして通州事件から通化事件まで。いずれも日本人居住区が襲われ、多くが惨殺され、婦女子は強姦されたうえ局部に棒を突っ込まれ、内臓が飛び出した遺体も多かった。(p97)


・中国の経済を牛耳る地下人脈を語るとき、出身地別の仕分けが必要である。・・・いまも「上海閥」が政治ばかりか、中国のビジネス中枢を動かしている。・・・胡錦濤は安徽省出身、トウ小平は四川省、毛沢東は湖南省出身。(p133)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★☆☆(77点)



著者経歴

 宮崎 正弘(みやざき まさひろ)・・・1946年金沢生まれ。学生時代、日学同の機関紙である「日本学生新聞」編集長。早稲田大学中退後、雑誌『浪漫』企画室長を経て、貿易会社を経営。評論家、作家として中国全土をくまなく踏査、中国経済の実態報告に定評がある。


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