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「ハゲタカは飛んでゆく」ラリー・S・ジュニア

2006/09/13公開 更新
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ハゲタカは飛んでゆく

【私の評価】★★★☆☆(73点)


●2001年の同時多発テロから
 1年後に発行された一冊です。


 ちょうど、アメリカのアフガニスタン侵攻が終わり、
 アメリカのイラク進攻があるか、
 どうかと議論されている時期ですが、
 本書では、数ヶ月後にはじまるイラク戦争を予見しています


・アメリカは次なる大戦争を
 始めようとしているからね(p136)


●この本を読むと、アメリカという国が、
 お金儲けという国益のために
 戦略を持って行動していることがわかります。


・日本の徳川時代に、将軍が言ったという言葉があるでしょう。
 『農民は生かさず、殺さず』。
 日米の関係も同じことです。(p25)


●例えば、邦銀を叩き潰すためには、
 自己資本比率8%以下の銀行は、国際業務ができないという
 新しい国際ルールを作ったりするわけです。


 こうした米国の戦略は、
 それ自体、良い悪いということではなく、
 そうした国家であることを認識する
 必要があるということでしょう。


 批判をする前に、
 いかに対応するかを考える必要があるということです。


・アメリカという新帝国の強みは、
 情報メディアをしっかりと握っていることだよ。
 そこから日本人を惑わすいろんな経済情報や
 分析結果が流れていく。(p126)


●米国のストラテジスト(国家戦略専門家)が教えてくれる
 アメリカ人の頭の中はすごいものでした。


 アメリカに叩き潰されないことを祈りつつ、
 ★3つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・本当のことを言えば、日本経済をこれだけ低迷させても
 まだ円にしがみつく日本を、欧米の金融機関や機関投資家は
 攻めあぐねている。つまり、日本人の円にしがみつく習性こそが、
 日本を守る最後の砦になっているんだ
(p128)


・【1】大幅な円安容認
 【2】米国債の自由な売買
 【3】ゼロ金利の解除
 「この3つの政策を実行するだけで、日本経済の成長が始まる。(p134)


▼引用は、この本からです。
ハゲタカは飛んでゆく
ラリー・S. ジュニア
実業之日本社
売り上げランキング: 716601
おすすめ度の平均: 4.5
4 寓話で日本の不況の本質を分かりやすく解説しています。
3 いわゆる寓話的日米関係論か。
4 全てを鵜呑みにするのは危険。
5 要はこれをどう読むかでしょう。
5 真実を暴いている

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者経歴・・・ラリー・S・ジュニア

 1953年、アメリカ生まれ。大学では経済学を学び、日本留学経験あり。
 アメリカ政府系のシンクタンク勤務を経て、現在は、アジア経済などを
 研究するフリーのストラテジスト(国家戦略専門家)


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