「超速!最新日本近現代史の流れ―つかみにくい近現代を一気に攻略!」竹内 睦泰
2005/07/11公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
著者は大学時代、金がなく、家賃も授業料も払えない状況となり、大学をやめて働くことを考えたといいます。しかし、松田松陰の本を読んだことで、心機一転、歴史について勉強をはじめました。
つまり、終身刑となった松田松陰が「物事を知って死ぬのと、知らずに死ぬのでは違う」と言って、学ぶことを辞めなかったという逸話を読んで、自分も勉強しなくては!と思ったのです。
・「知って死ぬのと、知らずに死ぬのとは違う!」・・・そうだ!歴史は、生き方を、人生を教えてくれる!大学をやめるのを、僕はやめました。松田松陰もこうも言っています。「学ぶということは、どんなことからでもできます。本一冊あれば、その本から多くのことを学べます。(p6)
熱い、熱い、著者の歴史への思いが伝わってくるようでした。そして、歴史全体を勉強するため、大学ではなく予備校の講師を目指し、カリスマ講師となり、その集大成としてこの本があるわけです。
この本は「日本近現代史」ですから、戦争前後のことが多く書かれています。戦後60年。私を含め、その時代を知らない私たちが学ばなくてはならない時代でしょう。なぜ、日本は戦争を戦ったのか、特攻隊の人たちはどんな思いで飛び立って行ったのか。
・最も印象的なのが、十七歳の少年飛行兵が出撃する六時間前に書いた「妹よ、」で始まる手紙です。「もうすぐお兄ちゃんは死んじゃうけど、悲しまないでおくれ。これによって、おまえたち家族の命が少しでも長持ちするのだから・・・」(p148)
私たちの祖父がどのような時代を生きたのか、この本で学んでみませんか。歴史の入門書としてお奨めします。基本的な本なので、★3としました。
この本で私が共感した名言
・神風は、途中から半ば強制的になったという人もいるようですが、基本的には志願制です。
・伊藤や山県のことを、竜馬や西郷など維新の志士にくらべて二流だという人もいます。しかし、たとえそうだとしても、当時の政治家たちもみな、命をかけて戦ってきました。(p79)
・実は陸軍の統制派内部でも、北進論と南進論の二つがありました。・・・北進論を考えていたのが石原莞爾、南進論をとっていたのが東条英機です。ここで日本の運命が決定されるわけですが、南進政策の東条英機が、陸軍の実権を握っていました。(p139)
・アメリカは、まずドイツと戦争しようとして、ドイツの潜水艦を二、三隻沈めたんですが、ドイツはその手の内がわかっているため黙ってがまんしていました。しかし、日本はそうじゃなかった。ハル・ノートというアメリカ側の最終提案(無理難題ですが)をつきつけられただけでキレてしまい、真珠湾を攻撃するという暴挙に出てしまいました。まさにアメリカの術中にはまったわけです。(p142)
・アメリカ合衆国は、この原爆投下について、戦争を早く終わらせるためと言っています。・・・断じて違う。・・・理由は簡単です。・・・原爆は違うタイプの原爆で、両方実験したかったからなんです。・・・一瞬のうちに数十万人が死にました。これを虐殺と言わずして、何と言えばいいんでしょう。非戦闘員が90パーセントの都市にそんなものを落とすのが、人間のやることか。(p151)
・「日本の行為は許せない。他の国を武力によって侵略するなど、絶対に許せない。・・・」そうアメリカの検事が言ったとき、大川周明は立ち上がって叫びます。「インディアンはどうなるんだ。ならば、アメリカよ。インディアンの土地より去れ!」この発言で大川周明は精神異常とされ、精神病院に送られました。(p168)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
1章 明治維新 江戸幕府の崩壊から国内統一まで
2章 立憲国家の誕生 内閣制度発足から日清戦争まで
3章 資本主義の発展 産業の隆盛と領土拡大政策
4章 政党政治の展開 護憲運動の広がりと政党内閣
5章 軍部の台頭 昭和恐慌から二・二六事件まで
6章 日中戦争・太平洋戦争 開戦からポツダム宣言受諾まで
7章 戦後処理と復興 民主化政策と経済的自立への道
8章 高度経済成長の軌跡 経済大国・日本の役割と進路
著者経歴
竹内 睦泰(たけうち むつひろ)・・・1966年(昭和41年) ~ 2020年(令和2年)。大阪府出身。中央大学法学部政治学科卒。古神道本庁統理・第七十三世武内宿禰。地政学者。国学者。歌人。宇宙歴史自然研究機構<UCNO>理事長。元・代々木ゼミナール日本史講師(公募一期最年少)。音楽活動実績「サクセス」でCDデビュー。作詞とボーカルを担当。渋谷タワーレコードでインディーズ部門1位獲得。'98年オンエアウエストでは神主の姿でライブ開催!夢は死んだら前方後円墳に入ること(現在、造成に向けて動いています)。愛称はむっちゃん!
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 42,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記
コメントする