「超速!日本政治外交史の流れ」竹内 睦泰
2005/06/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
靖国神社参拝批判は歴史戦
最近は、歴史問題がニュースでよく取り上げられます。中国、韓国は首相の靖国神社参拝を批判する、それに加えて尖閣諸島の領有権を主張する。これは歴史戦の一つと理解して間違いないのでしょう。
例えば、中国が尖閣諸島を領有権を主張しはじめたのは、1971年であり尖閣諸島の海域に石油資源がある可能性がわかってからなのです。尖閣諸島はアジアの中東になるかもしれないということで、中国が動き出したのです。
・中華人民共和国と中華民国が尖閣諸島の領有権を主張しはじめたのは、ずっとあとの1971年からである。実は、1968年から行われた学術調査の結果、尖閣諸島の周辺海域を含む「東シナ海の大陸棚には、石油資源が埋蔵されている可能性がある」ことが報告された。(p156)
歴史を効率的に学ぶ
また、台湾が親日的なのに対して、韓国(朝鮮)の反日感情が悪いのは国民性のちがいではなく、戦後、中国と韓国、北朝鮮で徹底して行われてきた偏った反日教育の結果なのだというのです。
日本人としては、いろいろな報道がされている中で、自分で学び、それぞれの事象を解釈し、判断し、意見を持つことが求められるわけです。したがって、歴史について、より正確で効率的に学ぶ必要があると思います。学ばずにマスコミの報道を信じれば、間違った方向に行く可能性があり、それは過去にも同じようなことがあったのです。私達はちょっと調べれば、歴史を学ぶことができますから、こうした本を読んだりしながら、学ばなくてはならないのでしょう。
・すでにはっきりしているのだが、竹島は日本固有の領土である。韓国が国際司法裁判所で争うのを拒否し、交渉のテーブルにつこうとしないのも、現状では不利であることがわかっているからだ。(p138)
日本の歴史教育
しかし、日本の教育現場を見ると歴史教育に力を入れているように思えません。現在のセンター試験は日本史、世界史、地理からの選択です。私は、共通一次試験は「地理」で受けました。どうして、私が「地理」を選択したのか、それは歴史を重要だと思いながらも、暗記中心となる歴史にいやけがさしていたからです。
もちろん、今は「地理」を選択したことを後悔しています。やはり、歴史は学ぶ必要があるのです。そして、この本を読んだときに、「やっと見つけた!!」と感動しました。やっと、歴史を楽しく学べる本に出会えました。もう一度、大学を受験したくなりました。この本はそういう一冊です。
この本で私が共感した名言
・日本人としての琉球・沖縄史やアイヌ史を知らずに、軽々しく語るべきではない。(p3)
・「沖縄県民かく闘えり、県民にたいし後世特別の御高配をたまわらんことを」(太田実)沖縄県民は立派に戦った。(p21)
・もともと狩猟や採集で自立していたアイヌの人たちは、いつのまにか和人の商品経済に組み込まれ、生活を奪われ、やがては自分たちの土地まで奪われてしまう。(p33)
・南蛮貿易のポイントを二つ。一つは、南蛮貿易はキリスト教の布教とセットで行われたことだ。まあ、これはスペイン、ポルトガルの世界征服の常套手段なんだよ。この両国は、南米でもどこでも「貿易+布教=植民地」の方程式によって植民地を世界に広げ、世界経済を支配していたのだ。(p163)
・対馬丸にしても沖縄空襲にしても、非戦闘員の殺傷は明らかな国際法違反だ。しかし、アメリカ軍による民間人の無差別殺戮はエスカレートする。きわめつきは広島、長崎の原爆だ。(p20)
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【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
琉球・沖縄史―知らないではすまされない!沖縄の過去・現在・未来
北海道・アイヌ史―日本を豊かにした"北の恵み"、アイヌ民族を苦しめた開拓の歴史
日露・日ソ関係史―"四本の国境線"で区切られたエアポケットの検証と解明
蝦夷・東北史―「夷をもって夷を制す」、中央政権による巧妙な東北支配
日中関係史PART・1―巨大帝国からの文明摂取、東アジア華夷秩序からの離脱
日朝関係史PART・1―「近くて遠い」朝鮮半島、歴史認識の違いを越えるために
日朝関係史PART・2―近代化と列強進出に揺れ、動きはじめた玄界灘の"活断層"
日中関係史PART・2―吹き荒れる帝国主義の嵐、引き裂かれる大陸の地響き
貿易史―経済は政治よりも強し!荒海をひた走る貿易船の航跡
条約改正史―条約改正に心血を注いだ交渉担当者たちの苦悩と努力
日米関係史―超大国アメリカと極東の島国日本、その敵対と友好の歴史
政党史―合従連衡をくり返しながら変化する権力のバランスシート
選挙法変遷史―ときの政権の思惑を反映する選挙法改正、その変遷とポイント
古代職制史―新しい国づくりに燃える日本、律令制にもとづく職制改革
中世職制史―武家政権による封建システムの完成と国家組織の変質
近世職制史―「泰平の世」を築きあげた江戸幕府の統治・統制システム
近代職制史―軍部の独走を許した戦前の内閣制度のしくみと問題点
女帝史ー万世一系の皇室の歴史が照らす女帝問題の核心部分
著者経歴
竹内 睦泰(たけうち むつひろ)・・・1966年(昭和41年) ~ 2020年(令和2年)。大阪府出身。中央大学法学部政治学科卒。古神道本庁統理・第七十三世武内宿禰。地政学者。国学者。歌人。宇宙歴史自然研究機構<UCNO>理事長。元・代々木ゼミナール日本史講師(公募一期最年少)。音楽活動実績「サクセス」でCDデビュー。作詞とボーカルを担当。渋谷タワーレコードでインディーズ部門1位獲得。'98年オンエアウエストでは神主の姿でライブ開催!夢は死んだら前方後円墳に入ること(現在、造成に向けて動いています)。愛称はむっちゃん!
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