「修羅場のマネー哲学―1億5000万円の借金を9年間で完済した男」木戸次郎
2004/06/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★☆☆☆☆(58点)
要約と感想レビュー
株の運用報酬で借金の1億5000万円を返済し、去年の5月発刊の時点で日本株式の上昇を予見している著者の経済、株式を見る目は確かです。しかし、それよりも、この本に書かれた著者の体験からわかることは、着実に地に足をつけて稼いでいくことが大切ということでしょう。
株式は確かに優良会社が上昇することが多いのですが、別の要因で左右されることもあるのです。そうした中で確実に勝ち続けるためにはよほどの確実な情報があるのか、確実な仕組みを利用するしかないのです。投資の世界で勝ち続けているのはウォーレン・バフェットくらいという事実を忘れてはなりません。
この本で私が共感した名言
・去りゆく者から、君に最後のアドバイスをさせて欲しい。木戸君は、株の世界にいるからといって、楽をして金を稼ぐことを憶えてはいけない。楽をする癖がつくと、人間は必ず堕落する。それは誰のせいでもない。自分自身のせいなのだ。そのいい例が私だよ。(p39)
<松下幸之助は、工場を作るときに、多めに土地を買って、地価が上昇したところで土地を売るとうことをしませんでした。自分の会社は家電で商売しているのだから、儲かると知っていても土地では儲けない。なかなかできないことです。楽に儲ける弊害を怖れたのかもしれません。>
・お前さんはこの会社のサラリーマンで一生を終えるような小さな器じゃない。・・・この3年間は俺を信じて馬鹿になってみろ。とにかく馬鹿になって、精一杯、営業してみろ。・・・もし、お前さんが三年間我慢できずに途中で逃げ出したら、将来お前さんがどんなに事業で成功したとしても、世間がどれだけお前さんを認めようとも、俺はお前さんを一切、認めないし、信用もしないよ。
<馬鹿になるというのは大切だと思います。というより、難しい。知っていても、部下に質問する。自分の意見があっても、部下に相談してみる。自分が全て知っていないと理解するのは難しいことです。>
・私はこの消費者金融業者の幹部社員に、「なぜ、返済能力のない若者たちにお金を貸すんですか?とりっぱぐれたら大変でしょうに」と尋ねたことがある。返ってきた答は、驚くべきものだった。「もともと若い人たちに返済能力があるなんて、はなから考えていないし、当てにもしていないですよ。でも、彼らの後ろには返済能力のある親がいるじゃないですか」(p153)
<なるほど。消費者金融の躍進には、金銭感覚のない若者とお金を持った親という組み合わせがあるのですね>
・アラブには「世界は戦争に始まり、戦争に終わる」という諺がある。(p161)
<アラブだけにしてほしいですね>
・断言しよう。世界中を見回し、子細に検討を加えてみても、そんな日本以外に、巨大マネーが避難するに相応しい国は、どこにもない。(p164)
<去年の段階で冷静に判断しているところはすごいことです。>
【私の評価】★☆☆☆☆(58点)
目次
第1章 再出発
第2章 大キャンペーン
第3章 不動産ファンド
第4章 危機一髪
第5章 M&A元年
第6章 株式投資の鉄則
著者経歴
木戸次郎・・・1965年7月6日生まれ。明治大学政治経済学部経済学科卒。中堅M証券を経て、九年間の借金返済で培った「自己防衛法」や「投資法」など、独自の経済哲学を樹立する。現在、投資顧問会社・株式会社ユニマックス代表取締役社長
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