「安全保障は感情で動く」潮 匡人

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安全保障は感情で動く (文春新書 1130)

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■元航空自衛隊員であった著者が教える
 現在の国際情勢です。


 アメリカのトランプ大統領の登場により
 保護主義的な考え方が、
 力を持つようになってきました。


 つまり、国家の壁を低くする
 グローバリズムよりも
 英国のEU離脱、カタルーニャ独立のような
 国家主義、民族自決的な
 流れにあるのです。


 これは一世紀前の保護主義への
 歴史の流れを思い出させます。


・一世紀前も、保護主義が戦争をもたらした・・
 保護主義は昔も今も排外主義を生む。
 だとすれば、やはり、こう言えよう。
 いま起きていることは、第三次世界大戦の
 予兆である、と。(p36)


■短期的には、北朝鮮情勢も
 非常に緊迫しています。


 70年前には朝鮮戦争が
 相互のコミュニケーション不足から
 起きています。


 アメリカと北朝鮮が
 感情的な非難の応酬を繰り返す
 状況を見ていると不安になるのも
 当然のことです。


 ちょっとしたきっかけで
 戦争を誘発する可能性が 
 高まっているということです。


・1950年1月12日、アメリカのアチソン国務長官は
 「フィリピン、沖縄、日本、アリューシャン列島に
 対する侵略には断固として反撃する」と演説・・
 したが、台湾やインドシナに加え、朝鮮半島には
 言及しなかった・・要するに、アメリカ政府は、
 断固として韓国を防衛するという意思を
 示さなかった。これが北朝鮮の誤認を招き、
 朝鮮戦争の誘因になった(p106)


■指導者といえども人間ですから、
 心理や感情といった視点も
 無視することはできないのでしょう。


 大きな歴史の流れを
 過去を振り返りながら
 考えさせてくれる一冊でした。


 心の準備だけは
 しておく必要があるのでしょう。


 潮さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「エスタブリッシュメント」への反感は、
 それ自体が感情である。それは古今東西の
 人類が大なり小なり持つ、嫉妬心に根差す・・
 いわゆる「グローバリズム」への反発も
 同様である・・彼らの生活を苦しくしている
 という実感に由来する感情なのである。
 それは、端的には移民に雇用を奪われた
 という主張に現れている(p18)


・今後もし、在韓米軍兵士の家族が続々と
 出国したり、出国を促す退避勧告が出たりすれば、
 「斬首作戦」等の予兆と考えてよい(p30)


・トランプの登場は、これまで歴代大統領が
 遵守してきた、アメリカの行動原則のようなものを
 根底からくつがえした・・
 トランプ就任演説では、歴代大統領が好んだ
 『聖書』からの引用も、以下の一箇所だけ・・
 キリスト教徒が『旧約聖書』と呼ぶ「詩編」
 (大133篇)の一節である。
 イエスをキリスト(救世主)と認めない
 ユダヤ教に対する政治的な配慮がうかがえる(p45)


・2016年、ロシアはこの「バスチオン」
 (射程300キロ)を日本固有の領土、
 北方領土の択捉島に実践配備した・・
 北海道東部のほぼ全域を射程に収める(p58)


・米軍はこのSBX-1に加え、弾道ミサイル
 監視用の偵察機「コブラボール」を二機、 
 日本周辺に展開させ、監視飛行させてきた。
 米空軍はこの「コブラボール」を三機しか
 保有していない(p86)


・解任された金元弘(キムウオンホン)・・
 彼が率いた国家安全保衛部は、
 いわゆる秘密警察に当たる機関であり、
 体制維持の中心的な役割を担った・・
 彼の解任劇を受け、「体制の不安定化が進む」 
 ことはは間違いない。それ以外にも最近、
 北朝鮮軍の将官や左官、あるいは
 エリート外交官らの亡命が相次いでいる(p97)


・「グレーゾーン事態」・・
 これは、決してウクライナ情勢に限った話ではない。
 わが国眼前の東シナ海でも起きていることだ。
 現に日本固有の領土である尖閣諸島周辺には、
 ほぼ常時「海警」などの中国公船がいる(p143)


・テロに加えて、現代的な課題が、
 無人兵器の登場である・・
 そもそも感情を持たない戦闘ロボット
 相手には抑止はまったく効かない。
 国家や軍隊はロボットの犠牲を
 それほど考慮する必要がない。
 大量の戦闘ロボットを
 送り込んでくる敵・・(p180)


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■目次

第1章 「見捨てられた人々」の逆襲が始まった
第2章 アメリカ合衆国が最大の懸念となった
第3章 第二次朝鮮戦争が始まる
第4章 米中戦争の可能性が「非常に高い」理由
第5章 だから戦争はなくならない



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