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「後藤新平 日本の羅針盤となった男」山岡 淳一郎

2010/02/04公開 更新
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文庫 後藤新平 日本の羅針盤となった男 (草思社文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


要約と感想レビュー

 北方謙三さんの「望郷の道〈下〉」を読んでいくと、台湾で総督府民生長官の後藤新平が出てきました。そして偶然にも、ちょうど手元に「後藤新平 日本の羅針盤となった男」があったのですから、不思議なご縁と読み始めました。


 後藤新平は、医師として学び、衛生局官僚として衛生環境の整備、労働保護、労働災害保険の整備に尽力しています。そして、日清戦争の帰還兵の検疫事業で児玉源太郎と出会い、台湾での児玉総督と後藤民生長官という台湾統治の立役者となるのです。


・行政組織のスリム化に併せて、一挙に1080人もの役人をクビにしたのである。台湾には官民合わせて約三万人の日本人がいたが、役人の大量解雇で日本人社会は上を下への大騒ぎとなった(p135)


 その後は、満鉄初代総裁、内相、外相、東京市長などを歴任しています。どこの職場でも、後藤新平は「やるべきことはやる」といった考えのようで、混乱がおきようとも反対されようとも、自分の信じる方針を進めていったように見えます。組織というものは、トップによってまったく変わってしまうのだな、と感じました。


 分類としては歴史小説ではなくノンフィクションというか、後藤新平の伝記という感じでしょうか。本の評価としては★2つとしました。山岡さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・新平に銀行の重要さを教えた茂丸は、大蔵大臣の松方とも面会し、ユダヤ系イギリス人アーサー・サッスーンが創設した「香港上海銀行」を例にとって台銀の設立を促す。(p153)


・ドイツ留学や衛生制度の普及運動、私塾を開いての人材育成に惜しみなく金を使った・・・彼の死後、親族は莫大な借金の返済に四苦八苦することになる(p27)


・新平は、終生、「大切なことを伝えたい」熱病に浮かされている。策の立案とともに人を教育することに並々ならぬ情熱を注いだ(p99)


文庫 後藤新平 日本の羅針盤となった男 (草思社文庫)
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山岡 淳一郎
草思社
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)


目次

第1章 地獄の季節
第2章 疫病との戦い
第3章 台湾統治
第4章 満鉄創業
第5章 政争と政変のなかで
第6章 帝都壊滅
第7章 帝都復興―見果てぬ夢



著者経歴

 山岡淳一郎(やまおか じゅんいちろう)・・・1959年松山市生まれ。出版関連会社、ライター集団を経てノンフィクション作家となる。「人と時代」を共通テーマとして、建築、医療、近代史、ビジネス、スポーツなど分野を超えて旺盛に執筆


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