「公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか」北見 昌朗

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公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか

【私の評価】★★★★★(94点)


■賃金コンサルタントが、公務員の賃金について分析した一冊です。


 著者の分析の結果、わかったことは、
 まず、公務員の退職金が異常に高いこと。


  ・民間企業の従業員がもらった退職金
   総額8兆2056億円÷2048千人=1人あたり401万円
   公務員がもらった退職金
   総額2兆8700億円÷223千人=1人あたり1287万円
   (公的年金財政状況報告 平成17年度)(p40)


 そして、年金も高い。


  ・厚生年金の場合、平均額は16万円だが、
   国家公務員(20万円)は4万円ほど高く、
   地方公務員(22万円)も6万円ほど高くなっている(p49)


■さらに給与については、民間より4割高く、
 これは時給の分析からも同じ結論が出てくるようです。


  ・時給を比較すると、名古屋市役所は中小企業の1.8倍・・・
   名古屋市役所 49万0952円÷157時間=時給3127円(同1.8倍)
   トヨタ自動車 47万1000円÷163時間=時給2890円(中小企業の1.6倍)
   中小企業   31万0000円÷174時間=時給1782円(p110)


 わかりやすい例としては、
 名古屋市職員の給与がトヨタ社員とほぼ同等ということです。
 一度、職場を入れかえてみるとおもしろいかもしれません。


  ・名古屋市職員の給与もトヨタ社員を抜いていた・・・
   住民課の窓口で座っている高卒の50代のヒラ職員の給与が
   まさか49万円もするという事実を市民は知っているのだろうか(p82)


■国家公務員の給与は、人事院が毎年勧告しているではないか、
 と思う方も多いと思いますが、
 この本では、人事院の統計データ操作のからくりまで
 教えてくれます。


 基本的には、民間の給与を調査する場合には、
 給与の安い人を対象から外すようにしているようです。


  ・人事院の民間給与調査・・・からくり その1 調査対象を
   50人以上の事業所に限定する・・・からくり その3 調査対象を
   「事務及び技術関係」に絞る・・いわゆるホワイトカラー(p135)


■国家(公務員)反逆罪となるような一冊でした。


 巻末に、エリート官僚にはそれなりの処遇が必要などと、
 具体的な公務員給与の改革案を提示しており、
 建設的な一冊です。文句なく★5つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・公務員は上位15%以内の高額所得者・・・
   国家公務員の平均年齢は40歳である。その所定内給与は40万円だ。
   そのほかに平均的に月間20時間程度の時間外手当が付く。その上で
   賞与を加えれば700万円を優に超す。(p103)


  ・リストラ不安のない公務員に、
   民間企業並みの給与は必要ない(p185)


  ・国家公務員は・・「30歳ぐらいまでの給与は民間とあまり変わらない」
   「40歳過ぎからもどんどん上昇するので、50代に入るとビックリする
   くらい高額になる」・・「高卒でもぐんぐん昇給するので、50代に入ると
   民間の大卒をはるかに上回っている(p60)


  ・国及び地方を合計した人件費は実際には合計37兆円ぐらいでは
   ないか・・・国の税収は平成19年度予算で53兆円、
   地方の税収は40兆円で、合計すれば93兆円だった。・・・
   実に4割が人件費で消えていることになる(p177)


  ・独立行政法人に移行させることで、"隠れ公務員"が急増(p166)


▼引用は、この本からです。

公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか
北見 昌朗
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おすすめ度の平均: 4.0
5 読んでいて"面白い"賃金本!
2 微妙やし性格まがってる
5 やっぱりなー
5 マスコミ、公務員そして政治家はこの本を読め!!!

【私の評価】★★★★★(94点)


■著者紹介・・・北見 昌朗(きたみ まさお)

 1959年生まれ。
 1995年株式会社北見式賃金研究所を設立。
 オーナー会社を対象にした賃金・人事コンサルを行う。
 著書多数。


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