●この本は、5000円札の新渡戸稲造先生の「修養」という本を読みやすく
したものです。明治の時代にすでにこのような完成度の高い本があったとは
驚きです。
・ゆえに希望なき者は、いかに若年であっても、片足を棺桶に踏み込んでいる
のと同じようなもので、希望さえあれば、三十になっても、六十になっても
すなわち青年というべきである。(p12)
●社会人として生きていくうえで大切なことが、ボロボロと出てくるといった
印象です。
・必要もないのに頑固にいいはることは感服できないが、世の人と笑い興じて
いるときにも、つねに限度を重んじ、「ここまではよろしい、いくら
はいってきてもよい、しかしここから先は許さぬ、一歩でもこのなかを
侵したら承知せぬぞ」という、強いところがなくてはならない。死力を
つくして守るべき領分を忘れてはならない。(p25)
●「ここから先は許さぬ」という領域については、私も今悩んでいます。
つまり、自分の方針、ポリシーを明確にして、それを行動でちゃんと
あらわしていく。特に仕事においては、ここだけは譲れないというものが
あるはずで、その確立に悩んでいるのです。
・人が順境にいるときは、順境の誘惑が出てくる。このために、自分は
逆境にいるぞと覚悟していたときよりも、かえって不幸に陥ることが
ままある。(p191)
●順調なときが一番危ない、逆境のときが一番成長しているということですね。
・ちょっと見るとなんでもないが、ただ少しやりにくいところがあるくらいの
ことを、くりかえして行なうのがよい。行なっているうちに、継続という
ことが習慣となり、一事に達したものが他にも応用されると思う。(p46)
●習慣の大切さも押さえている!恐るべし新渡戸稲造先生というところでしょうか。
●新渡戸稲造先生の本では英文で日本の思想を伝えた「武士道」が有名ですが、
私はこちらの「修養」のほうが新渡戸先生の成功のノウハウが満載されてい
るのでお勧めします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・書物にばかりに頼らずに、もう少し耳の学問もしてほしい。そうすれば
書物を読んでもおもしろくなる。読書などということは、義理ではよく
読めるものではない。興味をもっておもしろく読まなければ役に立たない。
おもしろく読むことができれば、その進歩もまた著しい。(p141)
・むかしの聖人賢人は日に三たび省みるといっている。おりおり自分の
ことを省みるには黙思が必要である。(p216)
「いま自分のために何ができるか」新渡戸稲造、三笠書房(1991/12)¥520
(評価:★★★★★:絶対お薦めです!家宝となるでしょう)94点
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