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「逆境を越えてゆく者へ」新渡戸 稲造

2011/07/14公開 更新
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逆境を越えてゆく者へ

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■新渡戸 稲造の名著「修養」「自警」より
 「生き方」について抜粋した一冊です。


 100年前からこうした知恵は文書となり、
 教えられているのですが、
 人間というものはゆっくりとしか
 成長しない動物のようです。


・境遇の順逆は
 これを善用する人の心掛け一つで、
 どうにでもなる(p71)


■この本で特に強調されているのは、
 2つ。


 一つは、
 継続した努力です。


 まず、小さくて良いから
 目標に向かって歩き始める。


 毎日実行する。
 大切なときに逆境がくる。


 その逆境を乗り越えると、
 また違った世界が見えてくる。

 こうした感じです。


・牛の歩みのように遅くてもいいから、
 一歩一歩と進み続ければ
 やがて必ず千里の遠きに
 到達することができる(p4)


■二つ目は、
 逆境は自分の心が作っている。
 しばらくすると逆境は去る。


 ガマンして小さな努力を
 続けようということです。


・人生の禍福の境地はすべて
 自分の心がつくりだすものなのだ(p110)


■他人や環境を批判せず、
 自分のやれることを
 やっていこうと
 再認識できる一冊でした。


 新渡戸さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・全力で努力する者は、
 遅かれ早かれ逆境から浮かび上がる(p1)


・逆境も雲と同じ・・・高所に上がって見てみれば、
 雲、つまり逆境以外に光明を見ることができるのだ。
 壁を一枚越えれば、順境に出ることができるのだ。(p84)


・知恵が少なければ少ないほど
 罪を他人に転嫁することが多い(p27)


・僕は、天はもともと人に
 祝福を与えるものだと信じている(p57)


・東西の聖人たちはいずれも
 順境の時の危険性を説いている(p88)


・僕はいわゆる王侯貴族や巨万の富を持った人々を
 気の毒に思うことがある。・・・
 逆境は抜け出すべきものであるが、しかし
 いわゆる世間で言う順境もあえて羨むほどのことでは
 ないと思うのだ。(p105)


・大概の仕事はもう一息という大切なところで
 厭になりがちなものである。・・・
 そこを辛抱して続けさえすれば、
 必ず目的は達せられるのだ。(p118)


・最初から立派なことをやろうとすると
 失敗に終わることが多いのではないか。
 普通の人間はやさしいこと、そして少し嫌だと思うくらいのことを
 選んで継続心を鍛錬するのがよい。(p131)


・善い考え善い行いは実行に移す。
 そして実行に移す時、
 「ここだな」と力を入れて行なう。(p126)


・今日は五分の善いことを行い三分の悪を行えば、
 差し引き二分の善が残る・・・差し引かれる
 悪事があっても失望することなく、善を積むことを
 心掛けたいと思う。(p182)


・宵越しの銭は持たない、明日は明日でまたどうにかなる
 という考えは程度が低く、ほとんど原始人的考えである・・・
 元気のまま老後のことを考えるのは進んだ人である(p153)


逆境を越えてゆく者へ
新渡戸 稲造
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【私の評価】★★★☆☆(79点)



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