【書評】「いま自分のために何ができるか」新渡戸稲造
2004/09/06公開 更新
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【私の評価】★★★★★(94点)
●この本は、5000円札の新渡戸稲造先生の
 「修養」という本を読みやすくしたものです。
 
 明治の時代にすでに
 このような完成度の高い本があったとは驚きです。
 ・ゆえに希望なき者は、いかに若年であっても、
  片足を棺桶に踏み込んでいるのと同じようなもので、
  希望さえあれば、三十になっても、六十になっても
  すなわち青年というべきである。(p12)
●社会人として生きていくうえで大切なことが、
 ボロボロと出てくるといった印象です。
 ・必要もないのに頑固にいいはることは感服できないが、
  世の人と笑い興じているときにも、
  つねに限度を重んじ、「ここまではよろしい、
  いくらはいってきてもよい、しかしここから先は許さぬ、
  一歩でもこのなかを侵したら承知せぬぞ」という、
  強いところがなくてはならない。
  死力をつくして守るべき領分を忘れてはならない。(p25)
●「ここから先は許さぬ」という領域については、
 私も今悩んでいます。
 つまり、自分の方針、ポリシーを明確にして、
 それを行動でちゃんとあらわしていく。
 特に仕事においては、
 ここだけは譲れないというものがあるはずで、
 その確立に悩んでいるのです。
 ・人が順境にいるときは、順境の誘惑が出てくる。
  このために、自分は逆境にいるぞと
  覚悟していたときよりも、
  かえって不幸に陥ることがままある。(p191)
●順調なときが一番危ない、
 逆境のときが一番成長しているということですね。
 ・ちょっと見るとなんでもないが、
  ただ少しやりにくいところがあるくらいのことを、
  くりかえして行なうのがよい。
  行なっているうちに、継続ということが習慣となり、
  一事に達したものが他にも応用されると思う。(p46)
●習慣の大切さも押さえている!
 恐るべし新渡戸稲造先生というところでしょうか。
●新渡戸稲造先生の本では英文で日本の思想を伝えた「武士道」が有名ですが、
 私はこちらの「修養」のほうが新渡戸先生の
 成功のノウハウが満載されているのでお勧めします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
 ・書物にばかりに頼らずに、もう少し耳の学問もしてほしい。
  そうすれば書物を読んでもおもしろくなる。
  読書などということは、義理ではよく読めるものではない。
  興味をもっておもしろく読まなければ役に立たない。
  おもしろく読むことができれば、その進歩もまた著しい。(p141)
 ・むかしの聖人賢人は日に三たび省みるといっている。
  おりおり自分のことを省みるには黙思が必要である。(p216)
三笠書房
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【私の評価】★★★★★(94点)
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