UBS証券で身につけた根拠のある成功法則「人生の勝算」前田裕二
2021/02/01|

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【私の評価】★★★★★(91点)
内容と感想
■ストリートミュージシャンから
早稲田大学、UBS証券と進み、
DeNAで仮想ライブ空間「SHOWROOM」
を立ち上げた前田さんの一冊。
前田さんの人生の勝算、
成功のコツは、ここまでやったら
どう考えても失敗しないでしょ、と
思えるくらい頑張ること。
例えば、就職のために面接を
受けるならば、自己分析ノートを
30冊以上書き、自分を掘り下げる。
その上で、知合いの社会人に頼んで、
集団面接の練習を何度も行う。
この程度のことにここまでやったら
失敗するはずがないと思えるくらい
徹底的にやり切るのです。
・頑張るという言葉を分解すると、「見極めて、やり切る」ということになります・・・ポイントを探しあてることが、「見極め」です(p143)
■なぜ、そこまで頑張るのかといえば、
前田さんは「死」を意識している
ということがわかります。
人間というものはいつか死ぬ。
いつか死ぬのかわからないのだから、
今日一日をやり切る。
今日一日の密度を濃くして、
フルパワーでやるべきことを
やり切るのです。
頑張っても成功するとは
限らないのがこの世の中です。
それでも頑張らなければ、
何も変化を起こせないのでしょう。
・僕たちはみんな、死に向かって生きているのです。そう強く意識しているので、1日の密度をできるだけ濃くしたい・・・天に召されるその一瞬まで、やりたいことをフルパワーでやり尽くし、他人の幸せを増やし続けたい(p158)
■仮想ライブ空間「SHOWROOM」は
路上ライブをネット空間に
拡張したものです。
Youtubeと同じ映像ストリーミング
ですが、コンサート、劇場の形で
拡張したものといえるでしょう。
基本無料で参加者が応援の気持ちを
込めてお金を送ることができるのは
Youtubeの投げ銭と同じ仕組みです。
最初は地下アイドルから
出演者を広げていって、
最後は秋元康さんを納得させて
AKB48グループが出演するくらい
までになっています。
・今の時代に沿ったコンテンツ課金のモデルは、払うかどうかの判断をあえてユーザーに委ねる、前向きな課金だと思っています・・・無料で視聴も参加もできるため、有料でギフティングするかどうかは、視聴者の自由です(p80)
■スナックこそが、アイドルや
ユーチューバーや芸人といった
ファンビジネスの本質ではないか、
という著者の視点が素晴らしいと
思いました。
最強のビジネスモデルは
人との絆、人間関係、コミュニティを
基にしたものなのでしょう。
そうしたコミュニティを
スマホやネットを介して容易に
できるのが今のビジネスモデル
なのです。
前田さん
良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・僕の経営者としての原点は、ストリートでの弾き語りです。小学生の頃、お金を稼ぎたくて、あらゆる方法を試しましたが、自分にとって最も誇れる、幸福度の高い稼ぎ方が、路上でパフォーマンスを見てくださる観客の方からお金をいただくことでした(p3)
・棒は、地方出張に行くと、必ず現地のスナックを訪れます。その度に、「すべてのファンビジネスの根幹はスナックなのではないか」と思わされるような学びを得ます・・・スナックでは、ママとの人間的な繋がりや、絆の対価として、お金を払います・・・スナックの売り物は、ママの人柄、および、ママや常連客との温かいコミュニケーションです(p41)
・キングコングの西野亮廣さんが、『えんとつ町のペブル』という絵本を大ヒットさせたのも、「お客を中の人にした」・・・一人で作って10万人に売るのは難しいけど、10万人で作れば最低10万人が買うであろう、と。具体的には、クラウドファンディングを活用して、「自分も一緒にこのプロジェクトに参加しているんだ」と感じるファンや共謀者、中の人増やしていった(p50)
・UBS証券に入社しました・・・宇田川さんは、「勉強なんかいらないよ。とにかく人に好かれること。秘書でも、掃除のオバちゃんでも、受付の人でも、好かれなくちゃダメだ」と答えました・・・人を好きになる気質は、後天的なものだそうです・・・仲間を増やせば会社全体、そして世の中、地球だって動かせるかもしれないんだよ(p94)
・いつ死ぬかわからないのだから、生きているうちに新しい価値を創出したい。僕が死んだ後も、世界の人たちに幸せや付加価値を提供し続けられる、影響を与え続けられる何かを生み出すことに、エネルギーを投じたい(p138)
・僕は、愚直に何かに打ち込む人、夢を持って努力を継続する人が、シンプルに大好きです。でも、実際には、努力しても報われないことが多い。それは真実です。だけど努力をしないことには、成功はありません(p176)
・秋元(康)さんも、「前田くん、面白いね」「外見は乃木坂のスカウトマンみたいだけど、真面目なんだね」と、SHOWROOMや、僕の存在を認識してくださいました(p206)
▼引用は、この本からです
前田裕二、幻冬舎
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
プロローグ 経営はストリートから始まった
第1章 人は絆にお金を払う
第2章 SHOWROOMが作る新しいエンターテイメントのかたち
第3章 外資系投資銀行でも、求められたのは「思いやり」
第4章 ニューヨーク奮闘記
第5章 SHOWROOM起業
第6章 SHOWROOMの未来
エピローグ コンパスは持っているか
著者紹介
前田裕二(まえだ ゆうじ)・・・SHOWROOM株式会社代表取締役社長。1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、投資銀行UBS証券に入社。2011年からニューヨークに移り、数千億数兆円規模の資金を運用する北米の機関投資家に対してアドバイザリーを行う。その後、2013年DeNAに入社。仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。2015年に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。ソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受け、合弁会社化。
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