【書評】「社長はいちばん下にいる 倒産寸前から「奇跡100日」を経て 辿り着いた経営者として本当に大切なこと」 高橋秀一
2026/06/29公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(89点)
要約と感想レビュー
100日早朝勉強会で廃業寸前から拡大へ
著者はスープカレーオタクとして、「こんなに美味しいものがなぜ全国に広がっていないのか」という疑問からスープカレー店を始めました。しかし、お店は売上が立たず、廃業寸前まで追い込まれてしまいます。
そんな著者にチャンスを与えてくれたのが、先輩経営者たちでした。「「早起き」を、100日実践のテーマにすべきだ」というのです。「早起き」が苦手な著者は、いやいや早起きして早朝勉強会に出席してみると、なんと5人の先輩経営者が待ってくれていたのです。自分のために待ってくれていたという事実に、大号泣してしまうのです。
著者が気づいたのは、お店が倒産しそうなので、本来ならできることは何でもやらなければならない状況だったにもかかわらず、著者は何も動いていなかったということです。「やりたくないことはやらない」という甘い考えが根底にあり、しかも、自分の甘さにすら気づいていなかったのです。
先輩が「いちばんやりたくない『早起き』を、100日実践のテーマにすべきだ」とおっしゃったのです(p25)
自分が変わったら周りが変わった
100日実践をきっかけに、著者は朝のダクト掃除や活力朝礼を始めました。すると、それまでいた2人の従業員は去っていきました。しかし著者の考えに賛同してくれる従業員3人が集まってくれたのです。
地域のゴミ拾いも、最初はやましい気持ち100%で始めたものでした。それでも毎日続け、地域の人たちとの交流が生まれる中で、著者たちの気持ちは少しずつ変わっていったといいます。
苦しい経営状況の中で、従業員が「社員旅行で沖縄に行ってみたいよな」と他社を羨ましがっていたので、著者は「いいじゃないか、行こう」と決断しました。すると、従業員はますます自分で考えて仕事をしてくれるようになったのです。
著者は「コップのサイズ=自分のキャパシティ」という先輩の言葉を借りて説明しています。コップを大きくするのは、ほんの少しでいいのです。早朝5時からの勉強会への連続100日参加、ダクト掃除、ゴミ拾いという自分の小さな変化が器を大きくし、周囲の大きな変化へつながったのです。
社員のためにお金を使う・・・社員旅行で沖縄行ってみたいよな・・・いいじゃないか、沖縄に社員旅行に行こう!(P50)
土屋ホーム創業者に学ぶ
著者に大きな影響を与えたのが、経営者の朝の勉強会でお会いした土屋ホーム創業者の土屋公三さんです。
ある講演の後、著者が「今日の話はつまらないなあ」と感じていたところ、土屋さんから「高橋さんは、聞く力が弱いですね。いちばん大切なのは聞く力ですからね」と指摘されたといいます。
この経験から著者は、経営者にとって最も大切な力は「聞く力」だと考えるようになりました。どんな話に対しても「何を伝えようとしてくれているんだろう」という姿勢で聞くことで、社員はやる気になってくれるというのです。
土屋さんの言葉として紹介されている「夢は100倍、目標10倍、実績2倍」という考え方も素晴らしいものです。また「自分の時間の20%は、何らかの社会貢献のために使うべきだ」という教えも、著者の地域のゴミ掃除などにつながっているのでしょう。
「自分の時間の20%は、何らかの社会貢献のために使うべきだ」そう教えてくれたのは、土屋公三(土屋ホーム創業者)さんです(p179)
経営者の早朝勉強会で学ぶ
著者は経営者の早朝勉強会に参加する中で、人を改めさせようとするのではなく、自分が変わればいいのだということを学んだといいます。
この早朝勉強会は、おそらく倫理法人会だろうと思いながら読んでいましたが、最後の章で紹介されており、やはりその通りでした。月1万円という会費で、先輩経営者から直接学び、アドバイスをもらえる場があるというのは、著者にとって何より貴重な経験となったのです。
100日間の早朝勉強会という小さな実践から、著者の経営者としての器を大きくしていった過程がよくわかりました。倫理法人会おそるべし。高橋さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・人を改めさせよう変えようとする前に自ら改め、自分が変わればいい・・・人を責めるということをやめました。人を責めるのは、その人を変えようとしているからです(p85)
・経営者の義務として、睡眠6時間以上を死守(p168)
・10回の飲み会よりも、1回のゴルフ(p128)
▼引用は、この本からです

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高橋 秀一(著)、三省堂書店/創英社
【私の評価】★★★★☆(89点)
目次
経営者こそ、師匠をもて
コップのサイズをほんの少し大きくするだけで、水はこぼれなくなる
まず取り組まなくてはならないのは、「いちばんやりたいこと」ではなく、「いちばんやりたくないこと」
目指すは「かっこいい大人」
ベクトルを自分に向ける
人は「意志」があるところに集まる
地域のゴミ拾いこそ、地域の人がみんな見ている
心が先、出来事は後
苦しいときこそ社員のためにお金を使う
毎月の目標に、書道で魂をのせる
力は、自分でつけたのではなく、つけてもらったもの
1000万円で、エネルギーを良い方向に使わせる
社員を育てたいなら、聞く力を身に付ける
任せないと社員は成長しない
師匠は、100人もて
人を責めるな
成功したければ無私になれ
100%気を遣わずにすむ相手って、いる?
ときには悪ノリしてみる
社員から、「一緒にご飯が食べたい」と言われているか
新たな展開では熱意・市場・資金以上に「現場の実態を知ること」が大切
「いらないもの」を、もっと活かす
それも学びだ
気が進まないところにも「500万円くれる」と思ったら行ける
外国人を雇用するときには、「日本のお父さん」になる覚悟で
「先」は得をする
10回の飲み会よりも、1回のゴルフ
10年先の未来図を描く
お前は、何番目に声を掛けられたんだろうな?
フランチャイズは難しい
「フランチャイズ」から「パートナー」へ
4店舗以上を展開するときは「本部機能」が必要
多店舗展開するならセントラルキッチンが必要
10年に1回は、とんでもないことが起こる
経営者の義務として、睡眠6時間以上を死守
夢は100倍、目標は10倍、実績2倍
自分の時間の20%は社会貢献に使う
先に出す
再起をかけた一手
1円の価値を本当にわかっている人にお金は集まる
教えてもらったのに実行しないと、二度と教えてくれない
「信じる」のではなく「信じ切る」
本当に「社員は家族」と思っているなら「お金」で示す
能力×熱意×素直・わがまま
1.01の法則
事故を管理できれば、未来を変えられる
80歳になっても19歳と一緒に楽しめるか
拡大だけでなく、原点を貫く
スープカレーを日本の食文化に
自分の生き方の軸を教えてくれた経営者の勉強会 倫理法人会
著者経歴
高橋秀一(たかはし しゅういち)・・・1999年に(有)ハイブリッジを設立。2004年に飲食業へ大きく事業転換し、スープカレーSAMA1号店を開業。一時は廃業寸前まで追い込まれるも、徹底した自己改革と現場改善により経営を再建し、店舗展開へとつなげる。2012年に(株)ハイブリッジ・ジャパンへ社名変更し、FC事業・パートナー事業を戦略的に拡大して成長を実現。現在は国内31店舗(パートナー店を含む)を展開し、「スープカレーを日本の食文化にする」というビジョンを掲げ活動している
倫理法人会関連書籍
「社長はいちばん下にいる 倒産寸前から「奇跡100日」を経て 辿り着いた経営者として本当に大切なこと」 高橋秀一
「丸山敏雄伝」倫理研究所
「幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝」丸山 敏秋
倫理法人会「万人幸福の栞 17 カ条」に学ぶ
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