人生を変えるほど感動する本を要約するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

【書評】「限られた条件で勝ち続ける!「地方ビジネス」成功のルール 販路がない、人材がいない「最難関条件」の離島で実証された勝ちパターン」 木下 秀鷹

2026/06/15公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「限られた条件で勝ち続ける!「地方ビジネス」成功のルール  販路がない、人材がいない「最難関条件」の離島で実証された勝ちパターン」 木下 秀鷹


【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー


パッケージとネーミング変更で売上5倍

著者は都内のメディア企業で営業や事業責任者として経験を積んだ後、長崎県・五島列島の福江島に移住し、小さな食品製造・販売企業「ごと株式会社」を引き継ぎました。そこから10年で売上を約4倍、取引先を約60倍に増やしたのです。


売上アップの原動力のひとつが、パッケージとネーミングの刷新でした。商品を食べるシーンや選ぶ理由を意味付けしてリニューアルした結果、単価が280円から720円へと上がり、購入者数も2倍に増えたといいます。


パッケージひとつで売上が変わってくるので、デザインには妥協せず、人にあげたくなるオシャレなパッケージを作るという著者の言葉には説得力があります。


パッケージデザインだけではなく、食べるシーンやその商品を選ぶ理由などを意味付けし・・商品をリニューアルし、付加価値を高めたことで値上げもできました(280円→720円)。単価が上がり、購入者数が2倍に増えた(p39)

社長自ら販路拡大と広報活動

会社を引き継いだ当初、法人顧客はわずか7社でした。著者は自らゼロから小売店や問屋を回り、最終的に450社にまで拡大しています。


広報は「プレスリリース・メディアキャラバン・SNS」の3つに取り組みました。


プレスリリースはタイトルが勝負であり、プロを使った魅力的な写真を使い、自社の商品に社会的課題の解決を組み合わせることが重要だといいます。そして何より「プレスリリースを出し続けることが大事」なのです。


メディアキャラバンでは、まず最初に離島系専門メディアや地元に特化したタウン情報誌に情報提供し、掲載実績をつくった後に、他のメディアに定期的にアプローチすることで多くのメディアに掲載してもらっています。


また、地方企業にはDM広告とリスティング広告から始めることを勧めています。特にGoogleのリスティング広告は「いま情報を探している人」に表示されるため、購買意欲の高いユーザーを自社サイトへ誘導しやすいからです。


「プレスリリース/メディアキャラバン/SNS」が広報の3本柱(p59)

賞味期限の長いレトルト食品の開発

離島という消費地から離れているという制約に対し、著者は賞味期限の長く地元産品を使ったレトルト食品を開発し、在庫や鮮度の問題を解決しています。「五島の鯛で出汁をとったなんいでもあうカレー」は大ヒットしました。


コロナ禍では観光客が減り、リアル店舗の売上が激減しましたが、レトルト食品の開発と通販・卸販路の開拓で乗り切ることができたのです。


さらに困窮する地元飲食店を助けるために、利益なしでお店の味をレトルト商品化し、島外向けに販売するという取り組みを行っています。こうした地域貢献の取り組みが、会社とその商品をさらに魅力的にしているように感じました。


流通に制約がある→なるべく賞味期限の長い商品を開発することで、納期や鮮度の問題を軽減する(p6)

失敗と改善と試行錯誤

この本では、失敗事例も多く書かれています。大手スーパーへの安値納品で利益がゼロになった経験、物産展で反省会を開かずに赤字を重ねた経験、通販のリピート率が上がらずに試行錯誤した経験。


どれもそのまま放置すれば失敗です。しかし著者は改善を重ね、効果の薄い販路や広告は取りやめたり、仕事のやり方を改善することで、広告費も5分の1に削減しながら、売上を伸ばしたりしています。


言い訳せず、地道に改善を続けた著者の姿勢と行動が感動の一冊でした。地方の事業者には、ぜひ読んでいいただきたい一冊です。木下さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言


・あなたは、その事業によって地域の課題の何をどう解決したいのですか?(p96)


・おみやげ店の横に五島の食を楽しめるカフェを併設・・・今ではカフェが同社の中心的な事業のひとつに育っています(p56)


・債券未回収問題・・・初めてのお客さんに関しては前払いでお願いしたり、帝国データバンクなど企業の与信調査を活用し、毎回きちんと調べる(p131)


・リモート商談の際には事前にサンプル品をお送りしたうえで打ち合わせを行うようにしたところ、成約率は体面販売とほぼ同じ水準まで回復しました(p144)


▼引用は、この本からです
「限られた条件で勝ち続ける!「地方ビジネス」成功のルール  販路がない、人材がいない「最難関条件」の離島で実証された勝ちパターン」 木下 秀鷹
Amazon.co.jpで詳細を見る
木下 秀鷹 (著)、現代書林


【私の評価】★★★★★(94点)


目次


はじめに 地方ビジネスは本当に難しいのか
PART1 弱みを「強み」に変える
~10年で売上を4倍、取引先を60倍にした大逆転ストーリー~
PART2 商品・サービスの設計戦略
~地域特有の資源、社会的課題の解決がブランディングになる~
PART3 知名度ゼロからの広報・PR 戦略
~ 地方からブランドを全国周知させるための3つの方策~
PART4 海を超える販路開拓術
~ 地方発→全国へ 戦略を立て、足で稼ぐ~
PART5 地方企業における人材育成と定着
~ ビジョンに共感した人を入れ、待遇も整える~
おわりに 「地方で奮闘する経営者の気持ち」を本当に理解できるコンサルタントに


著者経歴


木下 秀鷹(きのした ほたか)・・・株式会社リージョン・クエスト 代表取締役社長。ごと株式会社 顧問。1981年生まれ、兵庫県神戸市出身。上智大学卒業後、広告代理店を経て、大手メディア企業にて20代で事業責任者を務める。2016年、長崎県・五島列島へ移住。食品会社「ごと株式会社」に入社し、翌年より代表取締役社長。「ローカル・ブランド・マネジメント」手法を用いて、売上4倍、取引先60倍へと事業を成長させ、「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」3年連続受賞(殿堂入り)を果たす。2026年1月に「ごと株式会社」代表を退任し、顧問に就任。現在は「ローカル・ブランド・マネジメント」の専門家として、全国の地方企業のブランディングや販路開拓を支援している。


地方ビジネス関連書籍


「限られた条件で勝ち続ける!「地方ビジネス」成功のルール 販路がない、人材がいない「最難関条件」の離島で実証された勝ちパターン」 木下 秀鷹
「地方で起業して、いきなり手取り額を2倍にする方法」久米 歩
「まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか」木下斉
「商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ」久繁 哲之介


参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本 , ,


コメントする


同じカテゴリーの書籍: