「「ひとりメーカー」の教科書」マツイシンジ
2025/01/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
要約と感想レビュー
サービスより物を売るべき
「ひとりメーカー」とは、アイデアグッズや小物、例えば、カー用品や台所用品などオリジナル商品を作って、売る商売です。商品を作って売るなんてハードルが高い!と考えがちですが、専門家に依頼すれば、製造もロゴも広告も作ってもらえるのです。
著者は物を売るのは簡単で、見えないサービスを売るほうがはるかに難しいと主張しています。物なら「もう売れているもの」を売れば、だいたい販売量は推測できるというのです。
サービスより「物」を売るべき・・サービス販売のほうがよほどハードルが高い(p35)
ひとりメーカーは企画が9割
「ひとりメーカー」に高いハードルがあるとすれば、それは商品開発です。つまり、何を売るのかということです。この本では、キッチン用品、寝具、アパレル、パソコン周辺機器、食品、スポーツ用品、キャンプ用品など大きなカテゴリーを先に決めるとよいと助言しています。
例えば、寝具と仮決めしたとすれば、寝具としてどんな商品が売れているのか、どんなライバルがいるのか調べるのです。Amazonのカテゴリーの売れ筋ランキングで、レビュー数が多い商品を見てみたり、選んだジャンルの商品が売られている店やデパートに行ってもよいでしょう。そして、検討商品のニーズや不満を可視化してみるのです。
こうして市場調査によって、自分の商品は他の商品とは何が違うのか、何が優れているのか、どんな悩みを解消するのか、などと考えながら、オリジナル商品を考えるのです。どんな商品を売ろうかな~と考えていると、生活している中で情報が勝手に耳や目から入ってくるようになるというのですから、不思議です。
市場分析・・お客様はこの商品を購入することで、どんないいことを手にするのか(p59)
商品とブランドを作り上げる
こうしてあなたが「ここがウリだ!」とポジション、ターゲットが明確なオリジナル商品(案)ができたとしましょう。
商品が決まったら、価格を決めなくてはなりません。原価率は30%以下、最高でも50%以下になるように価格を設定します。また、商品のネーミングやデザイン・ロゴ、商品の説明、開発ストーリーも必要でしょう。
ネーミングもデザインもクラウドソーシングで外注できますし、「意匠権」「特許権」「実用新案権」のチェックも弁護士に2万円程度で頼めるという。
さらに著者は、販売前にクラウドワークスなどで外注して、ライバル商品とオリジナル商品の比較アンケートを実施するのがよいという。これはもうプロのマーケティングと何ら変わりませんね。
ロゴマーク・・ランサーズやクラウドワークスで、1万円からコンペを行うことができます。3万円も払えばかなり質の高いデザインを提案してもらえます(p143)
デビューはクラウドファンディング
初心者は出資者を募るクラウドファンディングが、 唯一の選択肢だという。なぜなら、クラウドファンディングなら資金を事前に出してもらえるし、テストマーケティングになるし、在庫を抱えるリスクがないからです。
集客は広告で見込み客を集めてLINE登録を促し、Amazon発売日に、一斉に告知してAmazon内の順位を一気に上げます。余裕があれば、SNS広告を利用しているようです。
仕組みがわかればだれでもできると帯に書いてありましたが、著者の仕事はプロレベルだと思いました。まずは、クラウドファンディングがリスクが低く、取り組むべきなのでしょう。マツイさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・セラースプライト・・このツールで競合商品の大体の売れ行きまでわかるのです・・1か月の売れ行きを予想して在庫を持っておく(p196)
・自社ECショップで販売・・BASEは固定費:無料、決済手数料:6.6%+40円・・本格的な自社ECサイトを構築したい場合はShopifyがおすすめです・・固定費:月$29~、決済手数料:3.4%~(p207)
・自分でどこまでやるのか、誰に何を任せるのかを仕組み化する(p213)
【私の評価】★★★★☆(86点)
目次
第1章 自由とお金を手に入れる 「ひとりメーカー」のすすめ
第2章 ステップ1 「何を売るか」を決める 自然と売れる商品をつくるために大事なこと
第3章 ステップ2 商品をつくりあげる スペック・価格・工場・ブランドづくり
第4章 ステップ3 どこで売るか デビューから継続販売まで
第5章 ステップ4 どう拡大する? ひとりメーカーをさらに拡大するための仕組み化と販路拡大
著者紹介
マツイシンジ(まつい しんじ)・・・株式会社ササル代表取締役。中央大学卒業後、株式会社丸井グループに入社。2015年に独立し、「ひとりメーカー」として商品開発から販売までを一貫して手がける。開発商品の多くがAmazonランキング1位を獲得。現在は、物販事業と並行してEC特化型の広告運用代行やひとりメーカーアドバイザーとして活躍中。
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