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「世界一わかりやすい在庫削減の授業」若井 吉樹

2024/10/11公開 更新
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「世界一わかりやすい在庫削減の授業」若井 吉樹


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー


売れる商品は手間をかけて在庫管理

在庫管理についてレベルアップするため、まとめて在庫管理の本を読んでいます。2009年と古い本ですが、ご紹介します。在庫には金がかかりますので、より少ない在庫で、品切れを起こさないことが求められます。


この本では、売上の多い商品には手間をかけて、売上の少ない商品には手間をかけない方法を推奨しています。例えば、売上上位80%は、手間をかけて注文するA区分とし、下位80~90%はB区分、90~100%はC区分と在庫管理を簡略化していきます。


まず、あまり売れない商品は、在庫がなくなるまで数週間から数カ月かかりますので、ツーボックス方式がよいという。ツーボックス方式とは、同じ容器を2つ用意して、1つの容器が空になったら、1つの容器分を注文するものです。あまり売れないので、この程度で大丈夫なのです。


ツーボックス方式・・同じ容器を2つ用意して、そこの入れる数を決めておきます。・・1つの容器が空になった時点で、決まった数量を注文(p113)

小さくこまめに注文する

在庫が数日から数週間でなくなる商品は、毎日発注か、ボーダーライン方式とします。ボーダーライン方式とは、決められた注文点になったら注文する方式です。注文するボーダーラインは、注文から入荷までの日数×1日平均販売数+念のため在庫となります。


かんばん方式は、パレットの1個を使ったらかんばんを外して注文するのでボーダーライン方式に似ています。かんばんの数がボーダーラインなのです。そして、小さく、こまめに注文することで、在庫を減らすことができるので、かんばん1枚あたりの数を減らしたり、かんばんの数を減らしたりするのです。


ちなみに、念のため在庫の設定は、統計学を使って、100回に5回くらいとか100回に1回くらいは品切れになる在庫数に設定します。


ボーダーライン方式・・注文点=注文から入荷までの日数×1日平均販売数+念のため在庫(p105)

注文を聞いてから組み立てる

究極の在庫管理は、お客さんの注文を聞いてから、組み立てて出荷するものでしょう。例えば、セブン・イレブンでは冷凍パンを地域ごとの工場に配送し、注文量に応じて焼いて発送しているという。シュークリームでも、シューとクリームで在庫を持って、売れた量に応じてクリームを入れて出荷する方法が考えられます。


在庫の最適化には終わりがないのだと思いました。基本を押さえつつ工夫していきましょう。若井さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・赤札作戦・・廃棄してもいいと思うけど決めきれないものについて、ひとまず赤札を貼って1か所に集めておく・・一定期間が過ぎてもまだ赤札が貼られているようなら、それらを廃棄する(p40)


・コンビニで飲料が入っているガラス扉の棚・・商品は棚の奥から入れることができるようになっているので、常に先入れ先出しができる(p135)


・余分な在庫の悪影響・・売れ残った旧製品で新製品が売れなくなってしまう(p182)


・売上数の順番で並べて・・A区分のものは出入口に近いところに、C区分のものは倉庫の奥や棚の上(p69)


▼引用は、この本からです
「世界一わかりやすい在庫削減の授業」若井 吉樹
若井 吉樹、サンマーク出版


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次


1限目 くさった在庫は捨てよう
2限目 売れているものと売れていないものを分けよう
3限目 売れる商品には手間をかけよう
4限目 売れ筋以外は手間をかけずにいこう
5限目 トラブルに強い在庫削減の方法
6限目 入荷条件の「当たり前」を見直す
7限目 本当の売れ行きをつかもう
8限目 今までと違った形で在庫を持とう
9限目 身近なコンビニに見る在庫削減


著者経歴


若井吉樹(わかい よしき)・・・名古屋生まれ。名古屋工業大学を卒業。日本電気株式会社に入社し、システムエンジニアとして数多くの製造業の在庫削減プロジェクトに参画。リーダーとして担当した3つの大型案件で、自社事業に貢献したとして「功績賞」を受賞。その後、お客様のさらなる成果を追い求めて自社工場の現場改善に転身。トヨタグループOBコンサルタントのもと、3000億円の在庫削減に関わる。現在は在庫削減を中心に、コンサルティング活動をおこなっている


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