「スモールビジネスの教科書」武田所長
2023/12/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
スモールビジネスとは物真似
著者のおすすめするスモールビジネスとは、年間3000万円以上のキャッシュ利益を2年以内に創出できるビジネスです。具体的にはすでに儲けている会社の手法を真似し、一捻りを加えて、コピー商品やサービスを売るのです。
もし目の前にビジネスで儲けている人がいるとすれば、そこには金を払う顧客がおり、自分なりの工夫を加え、市場を限定したりすれば、自分でも売れるはずなのです。あるスモールビジネスでインターンを経験した学生が、「これなら自分でも出来る」と類似事業を立ち上げて数億円で売却した事例もあるという。
楽に儲かっている会社を地道に攻撃し続ける(p194)
存在しているビジネスをマイナーチェンジ
まず、最初に自分が仕事を通じて学んだ分野でのスモールビジネスを考えてみましょう。その業界で儲かっている会社を探してみるのです。
例えば、コンサルティング業界であれば市場分析など自分の得意な調査方法に絞り、かつ、建設業界など顧客を特化させてみるとスモールビジネスとなります。またエクセルの技能があるのであれば、エクセル×収益モデル×特定業界と絞ったり、エクセル×小売の在庫分析×特定業界など、能力と専門知識と業界を掛け算させるのです。対象を絞るという点では、スタートアップに特化した人材紹介ビジネスを行っている会社もあります。
このように対象を絞ることで、著者の周りにはデジタルメディア・広告運用・人材派遣、システムエンジニア派遣・コンサルティング・システム開発・不動産運用・営業代行・教室・フリーランスマッチングなどのスモールビジネスで儲けているオーナーがいるという。
既に成立しているビジネスに、自分が対象とする顧客セグメントのニーズを反映させ、マイナーチェンジすればよいというのが、スモールビジネスの基本だ(p78)
商品やサービスは普通でよい
革新性を追及しようとすると、顧客が求める普通のニーズからずれ始めるので、あくまで商品やサービスは普通でよいという主張に納得しました。また、属人性があるほうが大企業やベンチャーの参入が難しく有望です。例えば、法人向け営業は誰が担当かが重要であり、属人性があるし、「特定の分野の専門家ライター集団」も属人性がある仕事といえるのです。
業界には何には金を出しやすく、何には出しづらいという原理があるという。例えば、今はDXが流行っているので、時代遅れだと思われたくないという恐れが、エンジニアを「サイエンティスト」としてを人月単価400万円という高い単価を正当化している事例があるのです。
斎藤一人さんは世の中には金の流れる川があって、その川に手を入れて流れを自分のところに導いてあげればよいと言っていましたが、スモールビジネスこそ、そのお金の流れを変える方法なのです。
世の中で儲かっているビジネスの改変コピーを作ることで、より低リスクで、月100万円の利益をあげようという提案でした。著者も実際に売上年間数百万円~10億円の20個ものスモールビジネスに取り組んでいるという。低リスクという点に惹かれました。武田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「少数の人しか持っていないと思われる強いニーズ」を発見したなら、それは宝の可能性がある(p22)
・大手企業の平均単価から間接費を引いて直接的な費用のみから考えた値付けをしてみよう(p155)
・同じようなビジネスを行った人に聞けばよい・・謝礼(数万円)を支払って有効な実行計画の立案を経験者に手伝ってもらっている(p181)
・ベータ版の段階で試行錯誤を繰り返し、最も効果的な形態にサービスを調整しよう(p213)
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
序章 スモールビジネスの概要
第一章:スモールビジネスの戦略を立案する
戦略構築ステップ1 .自分の経験を振り返り探査領域を定める
戦略構築ステップ2 .探査領域において儲かっている企業を発見し儲かる手法を知る
戦略構築ステップ3 .対象顧客セグメントを明確にし、バーニングニーズを発見する
戦略構築ステップ4. 成功している企業の「儲かる手法」を改変しマイナーチェンジコピー品を創出する
第二章 スモールビジネスの戦略を実行する
著者経歴
武田所長(たけだ しょちょう)・・・大学卒業後、戦略系コンサルティングファームに入社。退職後20以上のスモールビジネスを展開し、それぞれ売上年間数百万円~10億円。トレンディ・ハイリスクなベンチャービジネスではなく「安定・着実」に売上100億円程度を目指すスモールビジネスを推奨。
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