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「定年後のお金の「見える化」入門」澤木明

2023/10/09公開 更新
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「定年後のお金の「見える化」入門」澤木明


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー


定年後は楽しく「チョイ働き」

定年前に受けるライフプランセミナーで教えてくれる内容を、本書で予習しましょう。定年後の2000万円問題を解決するために、著者がお勧めするのは、定年後も楽しく「チョイ働き」することです。「チョイ働き」とは週2~3日、必要なだけ働くことです。例えば、週一日ゴルフをして過ごすとした場合、月7万円かかるとすれば、週2,3日働いて月7万円を稼ぐのです。


なぜ週2~3日働くのかといえば、毎日自由時間になると何をしていいのかわからない人が多いので、少し仕事を入れたほうが迷わないということです。また、気力、体力的に2~3日がちょうどよい負担であること。そして、週2~3日であれば、在職老齢年金の支給停止もないのです。さらに「チョイ働き」は、収入は少ないかもしれませんが、仕事上の「仲間」ができることで、自分の居場所を確保できるという大きいメリットがあるのです。 


投資や起業より「チョイ働き」・・65歳以降のもっともオーソドックスな働き方(p252)

失敗事例が豊富

著者は年100回もライフプランセミナーを行っているだけあって、失敗事例が豊富で分かりやすくなっていました。例えば、どんぶり勘定で家計が破綻する人、お金を貯めることはできたけど、「もっとやっておきたいことがあった」と後悔する人。お金をコントロールするということは、人生をコントロールすることなのです。


また、定年後によく調べないで国民健康保険に加入したところ年額で60万円かかって、勤務先の健康保険組合の任意継続であれば年額36万円で済んだはずの人。無知は高くつくことがあるのです。親の介護が必要になって、自分で介護するために仕事を辞めてしまう人がいます。そうした人は、定期収入がなくなってしまうので、経済的にも精神的にも破綻してしまう人がいるという。


こうした落とし穴のパターンはわかっていますので、最低限、こうした本で定年後、どうすることがベストなのか知っておくべきなのでしょう。


介護離職してしまうと勤労収入はなくなり、将来もらえる年金の額や退職金の額も減るので、いずれ生活が困窮する(p141)

50代から定年後を考える

定年後は、「1日8時間の勤労時間」から、「1日8時間の自由時間」となります。それまでは、会社が自分の生活をコントロールしていましたが、定年後は自分で人生をコントロールしなくてはなりません。だから定年してから考えるのではなく、50代から定年後のあり方を考え続け、自分はどうしたいのか、自分には何ができるのか、計画し、準備しておかなくてはならないのです。


ライフプランセミナーを受けたことのない人にお勧めします。澤木さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「チョイ働き」の主目的は、まさに「収入」より「仲間」です


・退職時におおむね高収入だった人は、退職後1年目は任意継続被保険者、2年目以降は国民健康保険に加入すると、保険料負担が軽くなる(p99)


・親の介護費用・・・(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)・・月々の出費を見ると、1カ月あたり平均で8万3000円(p137)


▼引用は、この本からです
「定年後のお金の「見える化」入門」澤木明
澤木明、秀和システム


【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次


第1章 定年後によくあるお金の失敗
第2章 定年後のお金に関する制度を知っておこう
第3章 定年後の支出を確認しよう
第4章 定年後の収入をイメージしよう
第5章 お金の見える化の後に考えること



著者経歴


澤木明(さわき あきら)・・・さわき社会保険労務士事務所長、ライフプランナビ代表、一般社団法人中高年齢者雇用福祉協会主任講師。保有資格は、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP)、キャリアカウンセラー(CDA)。1950年東京都出身。群馬大学工学部卒業後、小西六写真工業株式会社(現コニカミノルタ株式会社)に入社。研究開発職や人事部門を経て、2002年同社を早期退職。独立開業後は講演やライフプランセミナーを年間100回以上受託。講演やセミナー後の個別相談は、20年間で延べ1000人以上に達している。


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