「カメラマンになっていきなり月収を100万円にする方法」坂口 康司
2023/09/05公開 更新

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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
カメラマン起業の現実
著者がカメラマンとして起業したとき、月の売上が3万円とか5万円くらいで低収入の日々が半年続いたという。売上50万、60万くらいはいくだろうという甘い期待は裏切られたのです。著者は貯蓄を取り崩しながら、カメラマンとして自分を売り込もうと努力するなかで、写真や動画をほしい顧客は存在しないという事実に気づきました。
顧客は売上アップしてくれる写真、アクセス数を増やしてくれる動画を必要としているのであって、きれいな写真がほしいのではありません。単に写真を取るだけのカメラマンでは、差別化できないのです。カメラマンの技術力向上よりも、お客様にどう自分が貢献できるのか考えることが必要だとわかったのです。
技術だけ高めていっても、自分の存在を知ってもらえません。したがって、自分の写真の良さに気づいても、もらえません(p5)
レンタルスペースに特化
今、著者がカメラマンとしてお客様に提供しているのは写真だけではありません。レンタルスペースの写真撮影に特化することで、インテリアデザインや集客のコンサル、出店する物件紹介まで行っているのです。
さらに、レンタルスペースを運営しているお客さん同士で意見交換できる交流会を開いたりもしています。現場撮影を通して収集したノウハウと人脈を持っていれば、もう単なるカメラマンではないわけです。撮影日を調整しているタイミングで、レンタルスペースのインテリアや運用のアドバイスをするだけで、お客様は大満足で、他のお客様を紹介してもらえるという。
現場の写真撮影を依頼されたときも、もし写真の見直しよりもインテリアの見直しのほうが集客アップに効果的と思えば、その旨を説明してインテリアの購入先を紹介し、写真撮影の仕事を断ることもあるという。このように常にお客様にどう貢献できるか、考え続け、自分のやれることを広げ続けてきた結果、お客がお客を連れてくる状況となっているのです。
どんなインテリアが写真映えして人気店になりやすいか?・・○○で買ったソファは見た目が良い割りに安い(p76)
リピートや紹介してもらうこと
やはり商売として一番難しく、大切なことは、リピートしてもらい、紹介してもらうことだという。もし、リピートや紹介がうまくいくようになると、単価を上げることができるようになります。単価を上げると、顧客の質も向上します。さらには、撮影料金を前払いにしてもらうとトラブルを避ることができて、良い顧客だけを相手にすることができるという。
悪いサイクルに入ると、顧客がいない→単価を下げる→顧客の質の悪化→トラブル多発→顧客がいないとなってしまいます。良いサイクルを回していくためにも、顧客に満足してもらい紹介していただける関係性を持てるのかということだと思いました。
フリーランスの現実の厳しさと、努力すべき方向性を示してくれる一冊としてとてもまとまっていると思いました。★5とします。坂口さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「集客力がUPする写真を撮らせていただきますね」などの声掛け(p67)
・顧客の質は単価に比例します。単価の高い顧客は、カメラマンのことをリスペクトしてくれます(p138)
・「予算感が合わない場合は相談可能です」」と記載した上で、少し高めの金額を提示する(廣江修)(p194)
・自分が撮りたい場合は無料、自分が撮りたくないけれども依頼された場合は有料(p90)
・複数の事業・・万が一、交通事故で足を骨折した場合、どうなってしまうでしょうか?(p79)
【私の評価】★★★★★(93点)
目次
序章 今の延長上に未来がないと思っているあなたへ
1章 初期投資は20万円! 必要なのはカメラとパソコンだけ
2章 月収爆上げの秘訣はマーケティング
3章 ギブアンドギブで撮りまくれ
4章 仕事はこう勝ち取れ
5章 顧客コミュニケーションが9割
6章 売れるカメラマン 5つの稼ぎ方
終章 ガチで活躍しているカメラマン
著者経歴
坂口 康司(さかぐち こうじ)・・・株式会社トータルクリエイツ 代表取締役。法政大学卒業後、ITベンチャーに入社し、新規事業の開発に携わる。その後、IT企業に入社し、撮影サービスのカメラマンとしてのキャリアをスタート。執行役員として撮影サービスや海外向けメディア事業の拡大に従事。独立後は「撮影×IT×マーケティング」を強みに活動し、レンタルスペース業界で「運営者の売上を増やすカメラマン」として実績を上げる。
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