「定年前後のやってはいけない」郡山 史郎
2023/08/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
定年後も仕事をすれば、貯金は減らない
老後の資金2000万円必要という話がありましたが、これは定年後、完全に引退する前提です。定年後も働くのであれば、数千万円もの貯金は必要ありません。貯金が少ないと悩むのであれば、収入を増やすことを考えればいいのです。定年後も仕事をして貯金を減らさない。むしろ余ったお金はどんどん使って第2の人生を楽しむのが著者のお勧めなのです。
では、人材紹介会社を経営している著者に、定年後の仕事選びについてアドバイスをしてもらいましょう。
定年後の仕事は、好条件の求人はほとんどありません。だから、仕事をしたければ、「何でもやります」くらいの柔軟性がほしいという。例えば、「月20万円でもいい」「契約社員でもいい」「時給制もいい」といったスタンスで、仕事を続け、実績を作っていくのです。できれば個人事業者として複数の会社から仕事を請け負っていくのが理想だという。
・人生は第2ハーフになってはじめて、待遇や金額よりも、やりがいや生きがいを基準にした働き方ができる(p107)
定年後の準備をしておく
定年前の会社員へのアドバイスは、40代くらいから定年後の仕事をイメージして準備しておくことです。60歳以降も現役並みに働きたいなら、基本的なことは一人で何でもできる技能や、本業の仕事で成果を残していきましょう。本業に時間と精力を注入して、ビジネスマンとしての実力をつけておくのです。仮に副業をするにしても、本業のプラスになることが前提です。
50代で役職定年となったときには、部下と肩書を失ったと嘆くのではなく、「よかった。これから後半戦の準備に取り掛かることができる」と前向きに考えたいものです。定年後は今の職場やしがらみから離れ、自分の能力や経験を役立てていける新しい人生を歩むことができるチャンスなのです。
・定年後の仕事選び・・野球でいうならば、選手からコーチになるイメージである(p76)
定年後は好き嫌いで生きていく
定年後、新しい職場に移ることができれば、それまでのしがらみがリセットされますので、著者のお勧めは「好き嫌い」で生きていくことです。同窓会は楽しいなら行くし、楽しくないなら行かない。それまで集めた名刺は捨てて、年賀状もやめる。義理で葬式へ出ることもやめることができるのです。
65歳まで雇用延長が義務づけられていますが、多くの企業では給料が激減することを覚悟しなくてはなりません。今の職場を離れるのか、このまま会社の準備してくれたレールに乗っていくのか考えていきましょう。不安をあおるでもなく、バランスの取れた内容だと思いました。郡山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・定年後の求職者には「これまでの仕事の人間関係は、もう全部ないと思ってください」とアドバイスしている(p127)
・アメリカでは能力がなければ「明日から会社に来なくていい」と即座にクビを切られる・・日本は・・定年制度が「あなたはもう不要です」といい渡す(p182)
・子や孫の面倒はみても、みられてはいけない(p138)
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 「働かない老後」から「働く老後」へ―意外と長い「定年後」
第2章 定年前後の「やってはいけない」―人生後半戦のスタートにはコツがある
第3章 いますぐはじめる暮らしの見直し方―お金、健康、人づきあい...はこう変える
第4章 人生100年時代を生きるヒント―「定年後」の真実
著者経歴
郡山史郎(こおりやま しろう)・・・1935年生まれ。株式会社CEAFOM代表取締役社長。一橋大学経済学部卒業後、伊藤忠商事を経て、1959年ソニー入社。73年米国のシンガー社に転職後、81年ソニーに再入社、85年取締役、90年常務取締役、95年ソニーPCL社長、2000年同社会長、02年ソニー顧問を歴任。04年、プロ経営幹部の派遣・紹介をおこなう株式会社CEAFOMを設立し、代表取締役に就任。人材紹介のプロとして、これまでに3000人以上の転職・再就職をサポート
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