「不動産オーナーのための 成功する不動産相続の全技術」12人の相続対策コンサルタント
2023/04/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
相続対策の必要性
相続税の基礎控除は3000万円、法定相続人(配偶者、子)1人あたり600万円ですので、全財産が4000万円を超えるくらいの人は相続対策を考えておく必要があります。特に注意すべきなのは不動産を所有している人です。不動産は分割しにくく、時価と相続税評価額に差があり、価格も変動するので、遺産分割では専門家の助言が必要なのでしょう。
したがってこの本では、自宅、土地、アパート、マンション等の不動産を所有している人の相続対策について12人の相続対策コンサルタントが解説してくれます。相続対策としては、自分が死んだ時にどのような形で資産を遺族に残していくのか考え、相続税がどれくらいになるのか試算し、どのような形で資産を保有し、どのような遺言を残すか、決めていきます。
・認知症となってしまうと、原則として生前の相続対策ができなくなります(p23)
不動産の相続
どのような形で資産を遺族に残していくのかという点については、現金なら分割しやすいのですが、不動産は分割しにくいことが問題となります。不動産を分割所有するのか、売却して現金を分けるのか、それとも不動産はそのままで不足分を現金のやりとりで調整するのか決めておくということです。
また、資産が多い場合には、父が死んだとき、母が死んだときを想定して、トータルとして相続税が安くなるように資産を相続することを考える必要があります。相続税の基礎控除を考えると、資産が多い 場合には、配偶者の相続額を低くしたほうが、配偶者が亡くなったときの相続税を低くできるという点も考えておく必要があるのでしょう。
不動産については、相続税を支払う時には「相続税評価」を使い、遺産分割する時には時価で評価を行うので、価格差で相続税対策ができるようです。いずれにしろ、専門家の助言が必要であることがわかりました。
・地主系の家系では、分割しにくい不動産が財産全体に占める比率が高く、現金が少ないケースがよく見受けられる(p13)
事前の相続税対策
突然、被相続人が亡くなったりして、事前に相続の準備ができていないと、資産がいくらあって、負債がいくらあるのかさえわからないこともあるでしょう。相続するか、放棄するかの決断は3ヶ月しかありません。さらに10ヶ月以内に申告・納税することになるので、残された家族は遺産相続に忙殺されることになってしまうのです。
ある程度資産のある人は、認知症になる前に、遺産についてどうするのか決めて、遺言状を準備しておくことが必要だとわかりました。12人の相続対策コンサルタントさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・生命保険金は、遺産分割をする必要がない、受取人固有の財産となります(p16)
・遺言作成の上で重要なのは、「遺留分算出は時価評価で行う」「法的に有効な遺言書を作成する」「分割内容を相続人に知らせる」(p118)
・公示価格(国土交通省が毎年発表する土地算定価格・・)、相続税評価額(・・公示価格の約80%)、固定資産税評価額(・・公示価格の約70%)
▼引用は、この本からです
12人の相続対策コンサルタント、 合同フォレスト
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 【事例紹介】相続対策をしない場合、間違った対策をした場合
第2章 はじめの一歩を踏み出すための相続の基礎知識
第3章 相続で資産を残すために知っておきたい8つのこと
第4章 ここを押さえておけば安心。相続対策のポイントを全解説
第5章 【事例紹介】相続対策の成功事例
著者経歴
12人の相続対策コンサルタント・・・田口誠一郎/野田大地/谷口直弥/森本康文/井上泰寿/橋本?輔/加瀨義明/植崎紳矢/井上洋和/弓崎大樹/岡本大成/南 浩己
豊田剛士(とよた つよし)・・・相続対策コンサルタント協会 代表。ベストプラン株式会社 代表取締役
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