「人の話は、ただ聞けばいい」石川 有生
2023/03/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
著者はキリスト教の牧師として、「会いにいく牧師」という悩んでいる人の話を聞く活動をしています。これは、著者自身うつ病になった経験もあり、自分から悩みを聞いてもらうために出かけていくことが難しかったという経験があったからだという。
年500人以上の悩んでいる人の話を聞きに行ってわかったのは、何か気の利いたアドバイスを提供する必要はないということです。その人の話を、ただ聞けばいいのです。ほとんどの人が求めているのは、解決策ではなく、「自分の話を聞いてほしい」ということなのです。
・愚痴を聞くと喜ばれます(p47)
一般的に男性は「問題解決をしたい」と考え、女性は話すことで問題によるストレスを発散しようとする傾向にあります。そして、問題を抱えた人は話を聞いてもらい、感情を受け止めてもらうと、気持ちを理解してもらい、自分に寄り添ってもらったような気持ちになり癒されるのだという。
著者が話を聞くときに気をつけているのは、話を遮らない、相手の話題を自分にすり替えないということです。大切なことは、相手の感情を受け止めることなのです。相手の話に興味を持ち、共感することで話は弾みます。著者は相手を褒める時には、その人のセンス、得意なこと、内面というふうに外見から内側に視点を移していくという。
・イエス・キリストの別名はインマヌエルと言い、日本語にすると「神は我々と共にいる」という意味です(p26)
人は自己重要感を持っていないと、強く生きられないのだと思いました。つまり、自分で自分の存在価値を信じることができないと苦しくて耐えられないのです。だから、私たちは認めてもらい、褒めてもらうと嬉しくなります。私たちは励ましを求めているのです。
私もどうしてもアドバイスしたり、情報を提供したくなりますが、何も与える必要はないのです。相手のことをよくわからないのに、アドバイスしようということは傲慢なことなのでしょう。石川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・キリスト教会は高齢化が進み、牧師の平均年齢は65歳を超え・・信徒も平均年齢が60歳を超えています(p6)
・彼は私のうつ病の話を聞きながら一緒に悲しんでくれました(p24)
・イエス・キリストは「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」と言いました(p92)
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
第1章 解決策はなくていい。聞き方がすべて
第2章 話し下手でいい!会話が上手くいく魔法の聞き方
第3章 話しかけやすい人になれば、相手からコミュニケーションを取ってくれる
第4章 相手の話を引き出す聞き方
第5章 相手のタイプ別「聞く技術」ワンポイントアドバイス
著者経歴
石川 有生(いしかわ ともみ)・・・牧師。会いに行くキリスト教会の牧師。1989年、神奈川県生まれ。東北大学理学部卒業後、牧師になるために神学大学院へ進学。一般の教会の牧師を辞め、「会いに行く牧師」の活動を始める。現在は、「ともみん」と呼ばれ牧師活動をしている。大学2年生の時に東日本大震災を経験し、直後からボランティア活動に参加し以後7年半の間関わり続けた。その後、牧師として働く中でうつ病を3年半ほど患う。震災や病気の時に助け寄り添ってくれる人たちの存在があったことが強烈に感謝として心に残り、誰かのために生きたいとの思いをあらたにし「会いに行く牧師」を始める。建物の教会堂を持たず、日本中どこにでも誰にでも無料で会いに行く活動で、年間500人以上に会っている。また、場所にとらわれないオンライン教会やオンライン礼拝を時代に先駆けて始める。毎週50名以上にオンラインで聖書の話を届けている。
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