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「おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方 」佐藤治彦

2023/02/08公開 更新
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「おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方 」佐藤治彦


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

人並みという常識でお金を使わない

お金の貯め方というと節約術中心の本が多いなかで、生き方を中心にした本ということでご紹介します。著者の考え方は、「生活に必要なお金は人それぞれ」ということです。山登りが趣味であれば、それほどお金はかかりません。海外旅行が趣味であれば、お金が必要でしょう。必要なお金は人それぞれなのです。


注意すべきことは、人並みという常識でお金を使わないことです。例えば、お墓や葬式を心配して事前に準備している人もいると思います。著者は、葬式やお墓は残された人のためのものであり、おひとりさまがそこまで考える必要があるのか、と疑問をていしています。お墓や葬式の心配よりも、お世話になった人に礼状と謝罪の手紙を書いたらどうか。自分が死んでから、自分のことを思い出してくれる友人を作ることに注力してはどうか、と著者は語りかけるのです。


余裕のない人まで、葬式だ、墓だと節約して何百万円もお金を残す・・・そんなことより、生きている間に楽しいことをした方がいい(p256)

住居や自家用車や保険を考える

興味深いのは住居や自家用車や保険といった3大固定費の考え方でしょう。まず住居については、家賃を払うくらいなら自宅をローンで買ってしまおうと考えている人が多いと思います。自宅は終の住処(ついのすみか)として安心できると思いますが、著者が警鐘を鳴らすのは、資産のバランスです。


仮に住宅・土地が8000万円、貯蓄が1000万円ではもし病気や天災などでお金が必要となったときに対応できる余裕がありません。自宅を購入するにしろ、貯蓄を厚くするとか、住宅を中古にするとか、固定金利でローンを借りるなどリスクを考えるべきであり、バランスが大切なのです。


自宅の場所も自家用車がなくても、買い物ができ、役所や病院に行けるところに住むのが理想です。加齢や認知症で、自家用車を運転できなくなるかもしれません。日常的に歩いて移動したほうが、健康のためにもなるのです。保険については、100点満点の保険に入らないようにアドバイスしています。おひとりさまなら、死亡保険金はいらないのです。


50歳を過ぎたら自家用車で移動するよりも、自分の足で移動していく方が健康のためにもいい(p77)

できれば長く元気に働き続ける

著者は、できれば長く元気に働いて、年金もできるだけ先延ばしして、金額を増やすことを推奨しています。働いていれば、人との繋がりもできるし、毎日やることがあるのは素晴らしいことだと思います。年金も長生きリスクに対応した保険と考えれば、できるだけ先延ばしして金額を増やしておくのがよいのです。


私のお金への考え方と非常に似ていると思いました。「おひとりさま」をテーマにしていますが、普通の人にも読んでいただきたい一冊です。佐藤さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・可能であればできるだけ長く働く・・・年金は少しでももらい始めるのを先延ばし(p172)


・ひとり住まいのシニア世代の住宅に、若い世代の人に同居してもらう・・家事の一部は受け持ってもらう代わりに家賃を無料(p37)


・投資は余裕資金で行う・・・一時的に元本割れしても慌てることなく、市場が追い風になるまで待つことができる(p247)


▼引用は、この本からです
「おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方 」佐藤治彦
佐藤治彦、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1章 おひとりさま、普通時代がやって来た!
第2章 幸せなおひとりさまは貧乏ではいけない。お金と住宅にまつわる話
第3章 幸せなおひとりさまは、知識の力で賢く増やす
第4章 幸せなおひとりさまのための医療と保険、年金、介護入門
第5章 幸せなおひとりさまのためのもっとお金の話



著者経歴

佐藤治彦(さとう はるひこ)・・・経済評論家。1961年東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。東京大学社会情報研究所修了。大学卒業後は、米銀で為替オプションを扱う銀行員として、東京、ロンドン、ニューヨークで勤務した後に、短期の国連ボランティア、経営コンサルタント事務所などを経て独立。放送作家を経て、1992年ごろからテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで、経済やマネーのことを評論、コメントする経済評論家として活動してきた。


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