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「難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください」チンさん凡人投資家

2023/02/09公開 更新
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「難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください」チンさん凡人投資家


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 老後の資産づくりは、株式長期インデックス投資1択!とアメリカの投資の神様ウォーレン・バフェットと同じことを言っているな、と手にした一冊です。著者のお勧めは、世界株式のインデックス投資信託です。インデックスなら買付手数料は無料で、年間管理費用も0.1%以下のものもあるので、気軽に株式投資ができるのです。


 実際、プロが運用する株式アクティブ投資信託の70%以上がインデックスの成績を下回ったというデータもあり、高額の年間管理費用を支払ってアクティブ投資信託を買う合理性は小さいのです。もちろん株式インデックス投資信託は市場の株価に連動しますので、価格は上下します。下落したときのストレスは非常に大きくなります。


 ただ、株式を買うということは上場されている企業を所有するということであり、企業オーナーになるのと同じことです。一部の人は企業家をブルジョアと批判しますが、企業オーナーはこうしたストレスと日々戦っているのです。なお、企業は利益を生むための組織であり、10年、20年といった長期で見れば、株式投資は債権よりも不動産よりも高いリターンを叩き出しています。


・投資運用会社・・・運用額が少ないと運営費用が出ないので、将来投信の運用を取りやめる可能性はあります(p147)


 著者のアドバイスは、銀行・証券会社・知人に投資の相談をしてはいけないということです。なぜかというと、銀行・証券会社が売りたい商品とこちらが買いたい商品は違うからです。一例として、私は自社株を管理している証券会社からライフプランを作ってあげるので、資産運用についてアドバイスしますと提案されたことがありました。その提案内容は、なんと資産の半分を投資一任口座で管理し、アクティブ投資信託を買うというものでした。口座と投資信託で二重に高額手数料を支払うスキームだったのです。


 銀行や証券会社に言われるがままに投資を一任するとそこそこのリターンが期待できるかもしれませんが、利益のほとんどが手数料として取られることになってしまうのです。投資のリスクは顧客に負担してもらい、リスクのない手数料でがっつり稼ぐのが、銀行と証券会社のビジネスモデルなのです。言われるがままに高額の手数料を支払うくらいなら、自分で世界株式のインデックス投資信託を買うことで、価格が上下するリスクは負いますが、そのリターンはすべて自分のものとすることができるのです。


・投信では買付手数料は無料ですから、分けて買っても不利ではありません。何回かに分けて投資すると時間分散になります(p185)


 株式投資信託を買うということは、株価の上下と付き合うことです。2022年は米国の株価が10%程度下落しています。未来のことは誰にもわかりません。米国をバブルと表現する人もいます。ただ、ひとつ分かっているのは株価は上下しながら、長期では上がるということです。米国では、戦後20%以上株価が下落したのは10回あり、平均3年で回復しているという。企業は利益を出し続けなくては存続できませんので、長期で見れば株価は上がっていくのです。


 人生100年時代ということは、私たちは長い人生を生きていかなくてはならないということです。長い人生という時間は、株式投資に有利に働きます。なお、投資は自己責任ですし、株価が下がることもあるので余裕資金で投資することを忘れないでください。チンさん凡人投資家さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・人生100年時代・・お金、健康面、人付き合い、やりがいなどについて準備しておきましょう(p19)


・値下がりした時のストレスを感じないなら一括で買う方法もあります(p185)


・米国株の戦後のデータを見ると20%以上下落したのは全部で10回あり、平均3年で回復しています(p226)


▼引用は、この本からです
「難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください」チンさん凡人投資家
チンさん凡人投資家 、自由国民社


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

1章 資産運用はなぜ必要か?
2章 知識ゼロでもよくわかる資産運用
3章 老後資産づくりで最初にやってはいけない投資
4章 失敗しない資産運用のコツ
5章 老後資産づくりにぴったりのインデックス投資
6章 自分にぴったりな投信を選ぶには?
7章 資産運用の実際を学ぼう
8章 短期的株式投資と資産運用を区別して失敗を減らす
9章 下落時はこう乗り切れ
終章 チンさん教えて!資産運用Q&A



著者経歴

 チンさん凡人投資家・・・本名 川上賢治(かわかみ けんじ)。凡人投資家兼YouTuber。1952年広島県神石高原町生まれ。2022 年8月現在70歳。工学部出身にもかかわらず、現役時は学習塾の講師をし、さらに独立して学習塾を経営。株式投資を20代ではじめる。当初は、日本の個別株投資からスタート。投資については基礎から勉強したことがなかったため、65歳のリタイアを機に株式投資の勉強を一から学び直す。凡人でも成功できる投資を勉強し、実践。さらにYouTubeで発信することで視聴者と情報を共有しながら投資に対する知識を深める。定期的に勉強会を開き、投資をしているシニア世代と交流もはかっている。仲間とともに「一緒に勉強して一緒に成功する」がモットー。


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