「71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活」紫苑
2022/12/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
著者は月5万円という年金の少なさの中でも楽しく生活できるというブログ「プチプラ快適な日々を工夫」を書き始めました。プチプラって何?と考えながら読み進めましたが、どうやら節約生活のことらしいと、ググってみると「プチプライス」。安くても質がよいという意味でした。
著者は中古の一軒家を購入して月13万円の家賃を0円としました。月2万円の生命保険も解約。洋服は自分でリメイクして、家の家具はDIYするようになったのです。
そして食費は月1万円以下と決めて、自分で安い食材を買い集め、それでも美味しく、栄養のある様々な食材を楽しんでいるという。お金を使いながら、お金の心配をしていた頃より、楽しく健康で元気になったというのです。
・食費は月に1万円前後・・安く、美味しく、かつ栄養のあるメニュー(p4)
それまで間食していた駄菓子はやめて、月4000円の削減。それでも口寂しいのでチーズやナッツを食べるのが自分に合っていたといいます。70歳という年齢もあると思いますが、化粧品も使わず、シャンプー、リンスも使わなくても大丈夫。そして、朝は散歩に出て、近くの土手の階段を駆け上がります。これで月1万円のトレーニングジム会費が削減できました。
3食自炊して、日々の掃除、ジュースではなく水を温めて白湯を飲むのです。こうした節約生活をすることで、それまでお腹の調子が悪くて漢方胃腸薬を飲んでいたのに不要になったという。朝、すっきり目が覚めて、体にダルさがなく軽く感じ、いろいろなことをやる気が出るように変わったというのです。節約生活で健康になるというのは不思議な真理なのかもしれません。
・朝散歩と階段駆け上がり・・・月1万円払って週3回もジムに通っていましたが、この方法なら費用は0円です(p177)
興味深いのは、デパートやファッションビルで高価で素敵で心を動かされる着物や物が売られていたら、ここは美術館だと想像するようにしているという著者の考え方でしょう。人の心の中には、欲望やもう少しがんばれば私にも手に入るといった嫉妬心や競争心があるというのです。
著者は素敵な「展示品」があっても、観て、楽しんで心の中のタンスに入れておくという。それをときどき思い出して、そのデザインやセンスを自分の家で活用してみる。それだけで十分と感じるようになったというのです。所有しなくても自分の欲望を満足させることができるということなのでしょう。欲望のコントロールとして面白いと思いました。
お金がないときは、節約するか、収入を増やすしかありません。楽しみながら節約する生活を教えてくれる一冊ということで★4つとしました。紫苑(しおん)さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・プチプラ生活を続けるなかで、片付けや洋服のリメイク、DIYを始めるようになりました(p16)
・スイーツをやめてみた・・・お菓子は食べ始めるとやめられなくなります(p48)
・プチプラ生活を始めて一番苦労したのが、「甘いもの断ち」でした(p83)
・着物に凝ったのは、身に着けたときの緊張感や相手側からの敬意を感じるからでした(p120)
・絵をリビングに飾ると、部屋の雰囲気はがらりと変わりました(p146)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 年金月5万円、楽しい節約生活
第2章 食費月1万円生活を始めてみたら、いいことだらけおひとりさま節約生活(食)
第3章 ようやくおしゃれ適齢期おひとりさま節約生活(衣)
第4章 住まいも工夫次第で居心地よくおひとりさま節約生活(住)
第5章 健康が一番の節約です
第6章 捨て活と捨てない生活のバランス
第7章 欲望はこうして抑えて、賢くお金を使う
第8章 不安がなくなり、生き方が楽になる
著者経歴
紫苑(しおん)・・・1951年生まれ。牡羊座。地方新聞社勤務を経てフリー。2年前のコロナ禍のなか年金の少なさと向き合い、対策を考える。2020年3月から「月5万円年金生活」を実行しはじめブログにアップ。美味しく健康にいい月1万円レシピや、リメイクおしゃれ、百均DIYなど、お金を遣わなくても楽しめる工夫の数々を紹介。
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