「がんばらない敬語 相手をイラッとさせない話し方のコツ」宮本ゆみ子
2022/12/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
この本を読んでいて、テレビのCMで芦田愛菜ちゃんが、キムタクに「さようでございますか」と言っていたのを思い出しました。こうした心のこもっていない言葉、がんばりすぎている敬語は「バイト敬語」として嫌われるのです。
がんばりすぎている敬語は、間違いやすいし、心がこもっていないと慇懃無礼と受け取られてしまいます。著者の提案は、相手に敬意を持っているのなら、心のこもったシンプルで丁寧な言葉を使ったほうがよいということです。
・「バイト敬語」に不快感を持つ人は案外多い(p27)
例えば、「この辺にバス停がありますか」と聞かれたら、「存じ上げません」と言おうとすれば、「ご存じありません」と間違うかもしれません。それなら「この辺はよく知らないのです。申し訳ありません」などと丁寧に説明したほうが、相手に気持ちが伝わるのではないかということです。
著者が伝えたいのは、敬語を使うときにがんばりすぎると不自然に感じるし、間違った敬語になりやすいということです。確かに「伺う」「申し上げる」といった謙譲語、「いらっしゃる」「おっしゃる」といった基本的な尊敬語はおさえつつ、間違いにくい丁寧な言葉遣いのほうが楽ではないかと思いました。
・間違った敬語を使うよりは、心のこもった丁寧な言葉を使ったほうが素敵です(p26)
著者が日常生活の中で注意しているのは、相手が上か下か確認しないことです。上下関係を意識するなら、身内以外は「上」にして敬語や丁寧な言い方をすればよいのです。聞くほうにとっても、相手によって言い方を変える人よりは、いつも丁寧でカジュアルな言い方をする人のほうが親近感がわくのではないでしょうか。
敬語とは口癖になってしまいますので、できれば正しい敬語を使うようにしたいものです。他の敬語関係の書籍とくらべて実用的な視点を教えてくれる、星4とします。宮本さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「上から目線」。これは嫌われます(p14)
・自分と身内以外は全部「上」。だから自分と身内以外には丁寧な言葉遣いをする(p15)
・きちんとはしているけれどカジュアルな言い方もできる人のほうが、親近感がわきませんか?(p46)
・「おいコラ」というのは、鹿児島が発祥です。薩摩弁なのです・・・「ちょっとそこのあなた」というニュアンス(p203)
▼引用は、この本からです
宮本ゆみ子、日経BP/日本経済新聞出版
【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
第1章 「敬語」は、がんばらなくていい
第2章 まずはこれだけ覚えよう「ございます」「いらっしゃいます」
第3章 「敬語」でなくても"うやまう気持ち"を表す表現がある
第4章 使いすぎの敬語に注意
第5章 よく耳にする違和感ニホンゴの正体
第6章 もっと知りたい人のために―敬語の基礎
著者経歴
宮本ゆみ子(みやもと ゆみこ)・・・株式会社ゴーズ・オン代表取締役、フリーアナウンサー。静岡県生まれ。大阪大学人間科学部卒業後、FM石川にアナウンサーとして入社。その後、FM静岡、FM群馬などを経て、2009年から大手人材育成・研修会社にて新入社員向け研修(ビジネスマナー・コミュニケーション)に携わる。また書籍ライターとしても約30冊を上梓。現在、自らも週4本のレギュラー番組を担当するかたわら、登録アナウンサー200人を抱えるキャスティング事務所代表を務める。話し言葉・書き言葉のプロとして活躍中。
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