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「半グレと芸能人」大島 佑介

2022/08/20公開 更新
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「半グレと芸能人」大島 佑介


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 文春砲として怖れられる週刊文春の記者の本ということで、読んでみました。主に市川海老蔵事件をおこした「関東連合」について書いています。朝青龍の引退の原因となった暴行事件との関連も面白い。「関東連合」とは東京の世田谷区の暴走族出身者の集合体です。暴走族としては30人くらいの小集団ですが、暴走族同士の抗争があれば、殺人事件を起こすような危険な暴力集団だったようです。


 この関東連合を六本木に連れてきた男として朝青龍に暴行を受けた「知人男性」が出てきます。この「知人男性」は、六本木の帝王、モンスターとの異名を持ち、20代でアダルトビデオで大金を得たという。「知人男性」はその金を使って、渋谷のクラブなどで芸能人や起業家たちと交流し人脈を広げ、「帝王」となっていったのです。


 同じ頃、「知人男性」は関東連合とも夜の街で出会い、意気投合。その人脈を関東連合のメンバーに紹介することで、関東連合は大物芸能人のボディガードや社長の運転手なども務めるようになったという。金と力と人脈が、「知人男性」と関東連合を結び付けたのです。


・売れないグラビアタレントなんかは給料が安いですから、起業家らと飲むだけで小遣いが貰えて人脈も広がる(p77)


 その後、知人男性は、関東連合の異常な暴力性・危険性に気づき、関東連合と手を切ったという。そして、六本木にクラブのプロデュースなどして、夜の街の「帝王」として活動を続けていたのです。そうした中、知人男性は朝青龍から暴行されて大事件となってしまうのです。


 一方の「関東連合」といえば、夜の世界の一大勢力となっていくのです。そして元関東連合リーダー石元太一が酔っぱらった市川海老蔵と六本木の会員制バーで出会い、酒癖の悪い市川海老蔵に切れた関東連合OBが海老蔵に暴行してしまうのです。さらに、「関東連合」は、六本木で人違い金属バット襲撃殺人事件をおこし、多くのメンバーが逮捕され、リーダー見立真一容疑者が海外逃亡して、現在はほぼ解散状態にあるという。


 こうしてみてくると、関東連合とは暴走族メンバーから発展した組織であり、収入を得るために芸能事務所やAVスカウトだけでなく、各メンバーが特殊詐欺や偽造カードの不正使用に関わっていたり、海外からの金塊密輸、ボッタクリバーの運営、自動車窃盗など手段を選ばない半グレ集団との印象を持ちました。


・AV事務所が関東連合系の会社のはじまりでした(p48)


 大金を手に入れると、夜の街に繰り出したくなる人種がいるようです。金を車、酒、女、ギャンブル、VIPルームに使ってしまう人たちです。そして、そうしたお金を使う人に、引き寄せられるようにその種の人が集まってくるのです。


 この本で名前が紹介されているのは、グッドウィルグループの折口雅博氏、大王製紙の井川意高氏、覚せい剤で逮捕された小向美奈子、ABCホームの塩田大介氏。それ以外は、仮名やイニシャルだらけでよくわかりませんでしたが、お金の魔力の怖さを感じました。大島さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「知人男性」は渋谷のセンター街に集まる女の子たちを芸能事務所やAV事務所に紹介したり、クラブに遊びに来る社長連中にあてがっていました(p48)


・取材は、関東連合のなかでも芸能関係の仕事に携わる者が手配した。雑誌や新聞などの紙媒体に関しては、日頃からAV女優の出演枠がある(p106)


・アフィリエイト広告を手掛けるIT系会社を立ち上げたりしました・・・消費者金融やアダルトサイトをターゲットにしたんです(p49)


・2016年・・バトミントン日本代表の桃田賢斗選手と2012年ロンドン五輪代表の田児賢一選手が墨田区内の違法カジノで賭博を行っていた(p137)


▼引用は、この本からです
「半グレと芸能人」大島 佑介
大島 佑介、文藝春秋


【私の評価】★★★☆☆(72点)


目次

第1章 関東連合を六本木に連れてきた男
第2章 折口雅博が築いた西麻布の"城"
第3章 市川海老蔵事件と関東連合崩壊の予兆
第4章 六本木フラワー襲撃事件
第5章 西麻布迎賓館事件
第6章 半グレ最新事情と金塊強奪犯



著者紹介

 大島佑介(おおしま ゆうすけ)・・・ジャーナリスト。大阪府出身。米国、中国に留学後、1999年~2004年まで小学館『週刊ポスト』記者。2004年~2019年まで文藝春秋『週刊文春』記者として、殺人事件をはじめ、刑事、公安事件を中心に取材。橋下徹元大阪市長の女性スキャンダル記事で、2013年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞スクープ賞」を受賞


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