「最強のナンバー2チームをつくれ!: 会社を大きく成長させる、社員の強みを活かした人材育成」長友 威一郎
2022/08/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
「ナンバー2チーム」とは、社長直属で社内の課題に対して検討するために、社内からメンバーを集めたクロスファンクショナルチームのことです。この本では社長の右腕として「ナンバー2チーム」を作るこことで、社内の課題を解決しつつ、人材を育成することを推奨しています。
なぜ「ナンバー2チーム」を作るのかといえば、経営者と同じレベルで考えることのできる人材は存在しないからです。自ら出資しながら、会社を立ち上げてきた創業者と同じレベルの人を探すのは不可能に近いのが実態なのです。
そこでチームを作ることでメンバー一人ひとりの弱点をカバーするのです。例えば、売上を上げる能力は高いのに社内で人間関係を作れない人と、仕事はいまいちでも社内の人間関係をよくできる人を組み合わせると、うまくいく可能性が高まります。
・経営者の視野とスピード感を、部下に求めるのは酷というものです(p36)
「ナンバー2チーム」のメンバー人選のコツは、「会社をよくしたい」という思いを持っているのは当然として、異なるタイプの人を集めることです。
この本では4つのタイプをあげています。成果を出し続けてきた「数字さん」。人を動かす力のある「管理さん」。経験豊かなベテランの「影響さん」。人間性の高いいい人である「信頼さん」です。これらのタイプを組み合わせることで一人ひとりの弱点をカバーしあい、強みを活かすのです。
例えば、成果を出せる「数字さん」だけですと、社内の人が動かないことがあります。そのときは「管理さん」の人を動かす力が役立ちます。なんとか成果を出したとしても、社内がギスギスしてしまうこともあります。そうしたときには「信頼さん」が全面に立つことで、社内の一体感が保持できるという具合です。もちろん社長との目標の意識合わせも必要ですし、どこまで自律的に活動してもらうかどうか、どこまで社長として介入するのか、社長は肚を決めておかなくてはならないのでしょう。
・「こんな声が上がっていたよ」くらいのフィードバック・・・経営者はオブザーバーに徹して、彼らの業務を妨げない(p143)
実際には、「ナンバー2チーム」を作っても、多くの会社でうまくいかない場合も多く見られるようです。
例えば、「ナンバー2チーム」のメンバー同士がぶつかり合ったり、トラブルが発生したりします。それをきかっけに結束が強くなることもあるそうです。また、表面的にはうまくいっているようで実はまったくメンバーがバラバラになっているという場合もあるという。いずれもコンサルタントが介入したり、社長が対処することになります。
大切なのは「ナンバー2チーム」の状況を把握し、トラブルを放置せず、早い段階で軌道修正していくということです。トラブルがあっても、それをきっかけに「ナンバー2チーム」の結束が強くなるのがベストなのでしょう。クロスファンクショナルチームで成果を出している会社も多いので、やってみる価値はあると思います。
長友さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・若手社員たちを自発的に動かそうとしたら、何が必要だと思われますか。それは、「承認」と「やりがい」(p22)
・経営視点を養うため、気軽に経営者と連絡が取れるホットラインを用意します(p87)
・最初の10分はチェックインの場・・・お互いのいいところを褒め合ったり、この1ヶ月間のよい行動を承認し合ったりします(p118)
・同じ目標を持っているとはいえ、お互いの弱みのつつき合いのようになってしまうと、だんだんとチームの歯車が狂っていきます(p118)
・トラブルが起きたとき・・・コンサルタントが介入し、その場に「爆弾」を投入します・・・その人の感情を吐き出させる。たとえば、「確か佐藤さんって、山田君に対して『もっとこうしてほしい』と言っていませんでした?」(p159)
・先入観で社員を見るのを防ぐために、3ヶ月に一度、全社員との面談を実施しています(p26)
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 経営者はがんばらなくていい
第2章 「ナンバー2」メンバーの条件とは
第3章 メンバーの強みを伸ばす育て方
第4章 「任せる」ことでしか成長しない
第5章 ナンバー2チームのスキルアップは「見守り」と「フォロー」
第6章 ナンバー2は社長の「ドリームチーム」
巻 末 ナンバー2タイプチェックシート
著者経歴
長友 威一郎(ながとも いいちろう)・・・株式会社ソリューション代表取締役。大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手・リゾートトラスト株式会社に入社。2006年、株式会社ソリューションの創業メンバーとして入社。2015年、専務取締役に就任し、経営者の「右腕」としてコンサルティング事業部の統括を行う。2017年、代表取締役に就任。株式会社ソリューションにおける自身のナンバー2経験をもとにした、幹部同士の協力体制を構築するマネジメント力には定評がある。
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