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「日本はすでに戦時下にある-すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル」渡部悦和

2022/07/07公開 更新
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「日本はすでに戦時下にある-すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル」渡部悦和


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

 タイトルどおり日本周辺の脅威に対して軍事力だけでなく情報戦争、諜報戦争への対応を推奨する一冊です。この本が重要なのは、ロシアのウクライナ侵攻前の2021年12月に書かれていること。そして、自費出版だからできたのか、個別の宗教法人を批判していることでしょう。


 まず、著者が説明するのは、中国共産党の中央統一戦線工作部の活動です。アメリカ、オーストラリアでの政治工作を行っており、活動費は3000億円にもなります。日本国内では創価学会系の公明党、自民党内の平和主義派閥、立憲民主党の小沢一郎氏の派閥が中国共産党の影響を大きく受けやすく注意が必要であると明記しています。


・公明党は、中国の新疆ウイグルやチベットにおける人権弾圧を厳しく批判したことがあるのか(p47)


 日本国内においては、沖縄での中国の影響力の拡大が説明されています。中国組織による不動産取得、琉球王朝末裔の中国への招待などが行われているのです。沖縄の米軍基地への反対運動とも連動しているのでしょう。また、著者が警告するのは、在日中国人が約78万人までに増えており、中国による静かな侵略が問題となっているオーストラリアの在留中国人100万人以上に近づいているということです。日本でもオーストラリアのように統一戦線工作が活発化する可能性があるのです。


 特に注意すべきなのが、外国人参政権、外国人住民投票権です。例えば、東京都武蔵野市の松下市長は外国人住民東京条例案を推進しています。私も知らなかったのですが、2015年沖縄県与那国島では、自衛隊配備の住民投票が行われたのですが、反対派が主導して島にいる永住外国人にまで投票券を与えているのです。結果は賛成632、反対445票で自衛隊配備が決まりましたが、このような実績があれば沖縄の島が外国の自治区になってしまう
 可能性があるのではないでしょうか。


・オランダでは、移住してきた大勢のイスラム教徒により、政府の介入が難しい、実質的なイスラム自治区が誕生している


 元陸上自衛隊東部方面総監だった著者だけあって、一方的に危機感を煽るだけでなく、新型コロナウイルスは中国で発生したものの、中国の生物兵器であった可能性は低いと分析しています。また、サイバー攻撃だけでなく宇宙で核兵器を爆発させ電磁波で電子機器を破壊するEMP(電磁パルス)攻撃の危険性を指摘しているのが印象的でした。北朝鮮の核実験は爆発力が小さくて失敗と分析している場合がありますが、EMPとしては小型の核兵器でも十分なのです。


 公明党と中国共産党の関係、日本学術会議と日本共産党との関係も記載しており、ロシアのウクライナ侵攻前に書かれた本としては、思い切った内容となっていました。実は自費出版なので、国家機密の出せる限界まで書いている本なのかもしれませんん。渡部先生、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・日本も統一戦線のターゲットになっている・・・日本の政界、経済界、メディア、アカデミア(学会)、中央省庁、芸能界、宗教界、自衛隊、警察などあらゆる分野に浸透している(p7)


・日本には日本人学生16人に対して167人の中国人留学生が学ぶ高校がある(2018年当時)(p7)


・2015年には中国当局者が、「琉球諸島は日本と同じくらい北京にも属している」と主張した(p51)


・日本学術会議と日本共産党との密接な関係・・・日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を・・・(p202)


・日本の政治家は能天気に、日本の国是は「専守防衛」「敵に脅威を与えない防衛力の保持』『必要最小限の自衛力の行使」だと主張している(p230)


▼引用は、この本からです
「日本はすでに戦時下にある-すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル」渡部悦和
渡部 悦和 、ワニプラス


【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

第1章 あらゆる領域が戦いの場となる「全領域戦」の時代
第2章 中国の政治戦:統一戦線工作による「静かな侵略」
第3章 突然襲ってくるウイルスと化学兵器との戦い
第4章 サイバー戦:サイバー空間を利用した仁義なき戦い
第5章 情報戦、とくに影響工作の主戦場としてのSNS
第6章 宇宙戦:宇宙の平和利用は甘い、宇宙での戦い
第7章 電磁波戦:みえない領域での危険な戦い
第8章 日本よ、賢くて強靭な国家を目指せ



著者紹介

  渡部 悦和(わたなべ よしかず)・・・日本戦略研究フォーラム・シニア・フェロー、前・陸上自衛隊東部方面総監。1978年 東京大学卒業、陸上自衛隊入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。2013年退職。ハーバード大学アジアセンター・シニアフェローを歴任後、現職。


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