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「マインドセット「やればできる! 」の研究」キャロル・S・ドゥエック

本のソムリエ 2022/05/28メルマガ登録
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「マインドセット「やればできる! 」の研究」キャロル・S・ドゥエック


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 世の中には、硬直マインドセットの人と、しなやかマインドセットの人がいます。


 硬直マインドセットは、チャレンジしない、壁にぶつかったらすぐにあきらめる、批判は無視する、他人の成功を妬む人です。結果的に成長せず、成果を出せません。しなやかマインドセットの人は逆に、新しいことにチャレンジし、壁にぶつかっても耐え、批判や他人の成功から学び、気づきを得て行動する人です。


 しなやかマインドセットの人のほうが良いに決まっている!と思うかもしれませんが、冷静に見ていると、硬直マインドセットの人がいかに多いのかびっくりするかもしれません。例えば、中学校になると英語を勉強しはじめますが、「先生のせいで英語が嫌いになった」と言っている人がけっこういます。よく考えれば、英語を話せないイギリス人がいないように、語学はやればできるはず。その人は自分が英語ができない理由を先生のせいにしているのです。


 そのように他人に責任をなすりつけるほど傲慢ではなく、自尊心の低い人だと、自分は英語の能力がない、自分はダメな人間だ、と落ち込んでしまうこともあるのです。いずれも硬直マインドセットです。


・硬直マインドセットの人が失敗したとき・・・自分の変えようのない資質を責めるか、パートナーのそれを責めるか(p229)


 社会人になって会社組織の中で仕事をしてみると、「なんだあの課長は・・・」「ろくな新入社員がいない」などと周囲の人を品定めする人がいます。人に優劣をつけ、できない人を見下し、その人を貶めることで、自尊心を満たすのです。特に誰も逆らえないお局様のような人が職場にいると、その人に嫌われた人は組織的にいじめられることもあるようです。


 このお局様はいつから、できない人を貶めることで自己満足に浸るようになってしまったのでしょうか。家庭に問題があるのか、自分が評価されないことに不満があるのか。本人もわかっていないのかもしれません。外から見ていると、できない人を指導しているように見えるかもしれませんが、その人を信じて育てようとしているのか、単にできない人を否定しているだけなのか、心の中の問題なので見えにくいのです。


・硬直マインドセットの教師には、生徒を品定めするような雰囲気がある(p289)


 しなやかマインドセットの人は、信じて気長に人を育てることができます。しなやかマインドセットの人は、新しいことに挑戦し、失敗から学び、次の段階に進もうとします。しなやかマインドセットの人は、多くの硬直マインドセットの人から「調子に乗っている」と攻撃されたとしても、どうすればこの提案が通るだろうか、誠意をもって進めれば認めてくれるだろうか、この人が私をいじめるのは家庭に問題でもあるのだろうか、そこから何を学べるだろう、と落ち込むことがありません。


 しなやかマインドセットの人は、変えられることと変えられないことがあることを知っています。自分は変えられるが、他人は変えにくい。新しいことに、硬直マインドセットの人は抵抗する。たとえ良いことだとしても、うまくいくまでには時間がかかることも知っているのです。


 試練のときに、精神的に落ち込んでしまう人と、落ち込まない人の差がマインドセットにあるのかもしれないと思いました。他人の評価や厳しい環境に右往左往せず、あるべき姿を目指して、行動できる人は落ち込むのではなく、改良しようとするのです。


 人間の本質をバッサリ切るような一冊でした。★4つとします。ドゥエックさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・人間はいつから学ぶのをやめてしまうのだろうか(p24)


・「努力しない病」・・・それは硬直マインドセットの子どもの自己防衛策でもある(p81)


・いじめは、人に優劣をつけるところからはじまる・・・他人を見下し、卑しめることによって、自尊心の高揚感を味わうことができる(p241)


・能力をほめると生徒の知能が下がり、努力をほめると生徒の知能が上がった(p95)


・しなやかマインドセットの人は、潜在能力が開花するには時間がかかることを知っている(p41)


・しなやかマインドセットの人にとっての成功は、自分のベストを尽くし、学んで向上することだった(p136)


・しなやかマインドセット・・・「私をいじめるのはたぶん、家庭に悩みごとがあるか、学校の成績のことで悩んでいるからだと思う」(p244)


▼引用は、この本からです
「マインドセット「やればできる! 」の研究」キャロル・S・ドゥエック
キャロル・S・ドゥエック、草思社


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 マインドセットとは何か
第2章 マインドセットでここまで違う
第3章 能力と実績のウソホント
第4章 スポーツ――チャンピオンのマインドセット
第5章 ビジネス――マインドセットとリーダーシップ
第6章 つきあい――対人関係のマインドセット
第7章 教育――マインドセットを培う
第8章 マインドセットをしなやかにしよう



著者紹介

 キャロル・S・ドゥエック(Carol S. Dweck)・・・スタンフォード大学心理学教授。パーソナリティ、社会心理学、発達心理学における世界的な権威。イエール大学で心理学博士号(Ph.D.)を取得後、コロンビア大学、ハーバード大学で教鞭を執り、現在に至る


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