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「メガヒットのカギをにぎる! シン世代マーケティング」原田 曜平

2022/05/25公開 更新
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「メガヒットのカギをにぎる! シン世代マーケティング」原田 曜平


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 著者はマーケッティングアナリストとして、世代別の消費動向を分析しています。
 この本で解説している世代は、次のとおりです。
 新人類世代(1961~1965年生まれ)57~61歳
 バブル世代(1966~1970年生まれ)52~56歳
 団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ)48~51歳
 ポスト団塊ジュニア世代(1975~1987年生まれ)35~47歳
 ゆとり世代(1987~1997年生まれ)25~35歳
 Z世代 (1996~2009年生まれ)15~24歳
 α世代 (2010年生まれ~)~14歳


 消費意欲が強いのは、日本の経済が良かった新人類世代からバブル世代で、団塊ジュニア世代以降になると日本経済の低成長に合わせて見栄より合理性が重視されるようになります。ワークマンや軽自動車で十分と考えるのが、団塊ジュニア世代以降なのです。団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代は格差が拡大した世代です。非正規雇用が増え、ロスジェネ(失われた世代)とも呼ばれる世代であり、生涯未婚率も上昇しています。もはや家族や子どもを持っているだけで勝ち組と言われるような世代なのです。共働きで世帯収入をなんとか維持しているというのが実情なのでしょう。


・団塊ジュニア世代以下は、家族がいるというだけで勝ち組(p32)


 著者が令和の消費として注目しているのが新人類・バブル世代です。女性は美魔女の担い手であり、いつまでもきれいであるためにお金を使います。男性は若い頃にハマっていた車やバイクを大人買いしたり、当時変えなかったブランド品を買ってみたり、休日には旅行に出たりします。なぜなら、子ども社会人となり自由となるお金を持っているし、バブル時代にできなかったことをやりたいという「一生青春」思想を持っているのです。20年後の平均寿命も意識しながら、思い残すことがないように消費を続けるのが、新人類・バブル世代なのです。


 私は1966年生まれの56歳ですからバブル世代であり、私自身を振り返ってみると著者の分析は、正確だと思います。できるだけお金を稼いで、稼いだお金は自分のやりたいことに使うということです。一方で令和の消費の中心となるのは50代となる団塊ジュニア世代であり、家族との時間を大切にし、子どもに買い与えるような消費が伸びる可能性があるのです。


・仕事のストレスを発散する方法・・・新人類・バブル世代である51~60歳は「旅行」・・・41~50歳と16~25歳は「食事」、26~40歳は「家族や友人と話す」でした(p115)


 こうして日本の世代別の分析を見てみると、いかに経済の勢いというものが、その世代の人の考え方に影響を与えるのかということにびっくりしました。考え方によっては、お金があればお金を使って楽しみ、お金がなければお金を使わずに楽しんでいるのが人間なのでしょう。人はその環境に適応できますので、入ってくるお金の範囲内で楽しめばそれで十分なのです。


 ただ、私はバブル世代なので、老後も楽しむために大いに稼ぎ、大いに使いたいと思っています。原田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・優良消費者である期間は元気で収入のある現役世代までの、せいぜい74歳の前期高齢者まで(p29)


・日本人の給料はこの30年増えていない・・・共働きで高い世帯収入を確保している夫婦のことを昨今では「パワーカップル」と呼びます(p66)


・高齢者がTVからYouTubeに逃げた・・・好きだった芸能人の過去映像や、趣味に特化した動画などを浴びるように見る(p142)


・Z世代は匿名ベースであるインスタグラムやTiktokを主戦場として育った(p166)


・α世代・・・習い事の数が異常に多い・・ピアノ、水泳、英語・・・小学校のクラスではそれでも少ないほう(p206)


▼引用は、この本からです
「メガヒットのカギをにぎる! シン世代マーケティング」原田 曜平
原田 曜平、ぱる出版


【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

Prologue 世代別のニーズを探ることで今後の消費が見える
1 団塊ジュニア世代~ポスト団塊ジュニア世代の消費の未来
2 新人類世代~バブル世代の消費の未来
3 団塊世代~シラケ世代の消費の未来
4 ゆとり世代~Z世代~α世代の消費の未
5 新時代に売れるために不可欠なもの



著者経歴

 原田曜平(はらだ ようへい)・・・1977年東京都生まれ。広告業界で各種マーケティング業務を経験した後、2022年4月より芝浦工業大学・教授に就任。その他、信州大学・特任教授、玉川大学・非常勤講師。BSテレビ東京番組審議会委員。マーケティングアナリスト。専門は日本や世界の若者の消費・メディア行動研究及びマーケティング全般(調査、インサイト開発、商品・パッケージ開発、広告制作等)。2013年「さとり世代」、2014年「マイルドヤンキー」、2021年「Z世代」がユーキャン新語・流行語大賞にノミネート。「伊達マスク」という言葉の生みの親でもあり、様々な流行語を作り出している。


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