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「プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術」みき いちたろう

本のソムリエ 2022/03/29メルマガ登録
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「プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術」みき いちたろう


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 カウンセラーである著者のところには、他人の言葉に右往左往してヘトヘトになった人がやってきます。ある人は職場で「なんでこんなこともできないんだ」と叱られて、ちゃんとやろうと頑張るんだけれど、どこかでミスをして、また叱られて落ち込んでしまう。もちろん仕事をうまくできないのは褒められたことではありません。しかし、見方を変えてみると、最初はうまくできないのは当然であり、実は教え方が悪いと考えることもできます。ところが立場の強い人が、弱い人に対して仕事のミスについて酷い言い方でこき下ろすということは、よくある風景ではないでしょうか。


 著者はこうした状況の背景には、立場の強い人が「I am OK.」でない場合、自己重要感が満たされていない場合が多いと説明しています。つまり、自分が満たされていないから、相手を否定することで自分の立場を上げて自己重要感を満たしているということです。「バカをバカにする人はバカ」と言われますが、自己重要感が満たされていない人はバカをバカにして、自己重要感を満たそうとするのです。悲しく寂しいバカな人なのです。


・自分自身が「I am OK.」と言えなくなると・・・他人を「You are NOT OK.」とこき下ろすことで自分を満たそうとします(p96)


 カウンセラーとして著者は、社会ではスルーする技術が大切だとしています。つまり、相手が言ったことをすべてそれに従うことはないのです。社会でヘトヘトになっている人は、いい人でいたいがために、相手の言いなりになっていることが多いのです。失礼なことを言われても反論しないし、怒ったりもできないのです。だから、相手から見下され、もっともなことで責めたてられ、バカにされるのです。


 著者のお勧めは、他人の言葉と自分の内面を切り離すことです。相手に共感しないことです。相手の言葉をスルーすることです。相手は自分の自尊心を高めるために弱い獲物を探して、憂さを晴らしているだけなのですから、そうした人から逃げるか、無視することが大事なのでしょう。ただ、それができないから苦しんでいるのも事実なのだと思います。そうしたときに、著者のようなカウンセラーが助けてくれるのでしょう。


・「親父の小言」・・・「子のいうことは八九きくな」・・・大人のいうことも、八九きくな(p88)


 実は私も若い頃、「自分のための人生」という本を読んで、びっくりした記憶があります。自分のために生きていいんだ!ということが、自分にとって目からウロコだったのです。いかに日本が自分を殺してグループのために行動することを暗黙のうちに強制する社会なのかということです。日本の社会は、グループ内で和があって、生きやすいところもありますが、グループのボスに睨まれると生きにくい場所になることもあるのだと思います。そうしたときに、必ずしもそうした人の言うことを受け入れる必要はないし、そのグループにいつづけなくても生きていけると知ることも大事だと思うのです。


 人はだれしも自己重要感を見たそうと不安定な状態にあり、場合によっては弱そうな人を生贄にします。生贄になりそうな人は、それに対応する知恵やカウンセラーの補助が必要なのだと思いました。


 みきさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・自分に対して厳しい指摘ほど耳を傾けなければならないと感じる(p39)


・自分の意見を言うと嫌われるかもしれないと考えることがある(p40)


・DVの加害者は近所や職場などでは紳士で、という人が多いと言われています(p56)


・DV、いじめでは、単に暴力だけではなく多くの場合は言葉(暴言)がともないます・・もっともな理由で被害者を責めたてる(p59)


・ニセ神・・・気の弱い相手に対して支配的になってしまう・・・仕事ができないのだからなにをしてもよいとばかりに叱責し見下してしまう(p99)


・加害者もそれ以前になんらかの不全感を負わされていて、それを癒すためにいじめに及んでいると言われています(p86)


・ある大企業の社長は指示の8割をスルーしてきた・・・着実に早く仕事をすることを心がけてきた(p151)


▼引用は、この本からです
「プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術」みき いちたろう
みき いちたろう、フォレスト出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1章 他人の言葉に振り回され、傷つく人たち
第2章 言葉の価値が重くのしかかる理由
第3章 言葉には本当はたいした価値はない
第4章 振り回されやすさのメカニズム
第5章 言葉はスルーしてはじめて命が宿る
第6章 もう他人の言葉に振り回されない!



著者紹介

 みき いちたろう・・・心理カウンセラー、公認心理師。大阪生まれ。大阪大学文学部卒、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。在学時よりカウンセリングに携わる。大学院修了後、大手電機メーカー、応用社会心理学研究所、大阪心理教育センターを経て、ブリーフセラピーカウンセリング・センター(B.C.C.)を設立。トラウマ、愛着障害などのケアを専門にカウンセリングを提供している。


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