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「PwC Strategy&のビジネスモデル・クリエイションー利益を生み出す戦略づくりの教科書」唐木明子

本のソムリエ 2022/03/19メルマガ登録
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「PwC Strategyのビジネスモデル・クリエイションー利益を生み出す戦略づくりの教科書」唐木明子


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 ソフトバンクの孫正義氏がインターネットを中心とした情報通信革命が起きると言っていたのが2000年頃のことです。Amazon.co.jpのスタートが2000年。2001年にアメリカでネットバブル崩壊しますが、iPhoneが発売されたのが2007年です。まさに今、私達は情報革命を目撃しているのです。この本ではこうした大きな環境変化の中で、成功している会社のビジネスモデルを分析し、戦略づくりに役立てようという内容となっています。


 この本ではアップル、アマゾン、レゴ、衣料品のZARA、スターバックスといった誰もが知っている企業から、化粧品のナチュラ、セメントのセメックスという企業を分析しています。分析数はやや少ないと感じました。


・アップルは、製品、プラットフォーム、店舗、オンラインなど、すべてが「アップルらいし」シンプルでエレガントな驚きのあるもの(p25)


 この本で紹介される企業は、当然のことながら特徴を持っています。


 ファッションチェーンのZARAは、小さいロットで短時間に商品を回し、売れる商品を作るのではなく、店舗で売れる商品を増産するというビジネスモデルになっています。日本の店舗で週2回発注し、48時間以内に店舗に納入されるのです。トヨタのジャストインタイム、リーン生産方式に近いものに見えました。


 また、セメントのセメックスでは24時間・週7日配送を行っており、どこにでもあるセメントという商品をサービスで差別化していることがわかります。


 私が知らなかったところでは、2000年にスターバックスのCEOが交代し、書籍、音楽、朝食メニューを販売しはじめたら、来店者数が落ち込み赤字になってしまったことです。雰囲気のよい喫茶店であるスターバックスの良さが、朝食メニューで破壊されてしまったのでしょう。その後、前のCEOが復帰してスターバックスは元に戻り、黒字化しています。


 会社の強みがわかっていない人が社長になると、簡単に普通の会社になってしまうのが企業経営の怖いところです。アップルも1985年にスティブ・ジョブズが追放された後、業績は低迷していましたが、1997年にスティブ・ジョブズがCEOに復帰すると44種類もあったパソコンを4つに絞り、その後アップルはiPad、iTune、iPhoneを発売し破竹の勢いで成長していくことになります。


・インディテックスのZARA・・・店舗の要望する商品・・週2回発注・・・物流センター(8時間以内に出荷)・・・日本には空輸で48時間以内に店舗に到着(p109)


 タイムマシン経営と言われるように海外で成功した事例を研究し、パクってしまうのが、成功への近道なのでしょう。中国の会社のようにそのままパクってしまう手もあります。百度(Baidu)はgoogle、アリババはアマゾン、we chat(微信)はLINE、T微博(weibo)はwitter、抖音(TikTok)はYoutubeをパクっています。ちょっと変えてパクってしまうのもありなのでしょう。


 こうした戦略系のものは正解はなく、いかに多くの企業の強みや構造を知り、考え続けることが大事ではないかと思いました。そしてテストしてみるしか結果を知ることはできないのです。一つひとつの会社を深堀りしてみるのも面白いのかもしれないと感じました。


 唐木さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ナチュラ・・・アマゾンの自然に根ざして、生活や人のつながりを重視したパーソナルケア(p48)


・セメックス(セメント)・・・ソリューション思考・・・顧客の悩みに対するサービス(インフラ保守や24時間・週7日配送対応)(p69)


・プレミアムプレーヤー・・・高級だからこそ売れる(p98)


・積み上げの思考とひらめき・・・課題のひらめきと、解決策のひらめき(p240)


▼引用は、この本からです
「PwC Strategyのビジネスモデル・クリエイションー利益を生み出す戦略づくりの教科書」唐木明子
唐木明子、中央経済社


【私の評価】★★★☆☆(72点)


目次

1 事例編―7つの事例から利益を生み出すビジネスモデルを考える
2 理論編―利益を生み出すビジネスモデルの成り立ち
3 実践編―利益を生み出すビジネスモデルをつくる



著者紹介

 唐木明子(からき あきこ)・・・PwC コンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング(Strategy&)パートナー。東京大学法学部卒。コロンビア大学ロースクール修了(LL.M)。事業戦略、新規事業創出戦略、グローバル化などのテーマを中心に支援。JPモルガンで社内弁護士として金融自由化対応を担当した後に戦略コンサルタントに転身、マッキンゼー・アンド・カンパニーから郵政民営化準備企画及び日本郵政株式会社を経て、ブーズ・アンド・カンパニー(2014年にPwCに統合)に参画。JPモルガンではNY本店勤務(2000-2003)、PwCコンサルティングでは英国法人への出向(2017-2021)を経験する。


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