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「人間愚痴大全」福田 智弘

2021/12/02公開 更新
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「人間愚痴大全」福田 智弘


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 有名人の「愚痴」を150個集めた一冊です。「愚痴」という切り口でまとめた、簡単な伝記のような形式になっていて、一人一ページと読みやすいのがありがたい。こうして読んでみると、悩みを持っていない人間はいないのではないか、と改めて実感します。


 誰でも自分を他人と比べて劣等感を持ったり、異性との関係に悩んだり、お金がなくて苦しんでいる。特に書かれている人は、それなりに有名な人たちですから、成功するまでそうした苦しみに耐えた事例と言えるのでしょう。


・「直木賞」にその名をとどめる小説家直木三十五(さんじゅうご)・・・菊池寛は、何もいわないのに「君、金いるだろう」といって、お金をくれたという・・・「貧乏には慣れている」と、後年、公言した直木(p97)


 面白いのは、作品や著作などで立派な人が書いているのかな、と思える人でも、生活は滅茶苦茶という事例が思ったより多いということです。石川啄木は、女好きで遊び歩いて借金を積み重ねていた。カール・マルクスも、ろくに仕事もせず、家政婦に子どもを産ませている。


 「人間は完璧ではない」、「人は長所を伸ばすべき」ということを、読んでいるうちに実感させてくれるのです。それとも、まともな人は、作家や芸術家になろうなどと思わないのでしょうか。


・女好きで、遊び歩いた末、借金を重ねる・・・それが石川啄木という人間の生き方だった(p19)


 「伝記」というものは、他人の人生を早送りで自分に経験させてくれるものです。もちろん時代も違うし、人それぞれ個性も違うのです。それでも、ギャンブルに狂うと金はなくなる。女性に手を出すと妊娠するくらいはわかるのです。


 そういう意味で「伝記」をもう少し読んでみたい気持ちになりました。乞うご期待。福田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・ファーブル(昆虫学者)・・・経済的には恵まれていなかった。晩年は貧困状態にあったファーブルを救おうと学者らが寄付を募りファーブルに捧げたが、彼はそれらをすべて断ったという(p31)


・お金を借りるってことは、悲しみを借りるってことなんだね(ベンジャミン・フランクリン)(p38)


・(アメリカの)「独立宣言」・・・「生まれながらにして平等」を高らかにうたいあげたジェファーソンだったが、実は彼は生涯大量の奴隷を所有していた(p163)


・カール・マルクス・・・わがままで子どもっぽい・・・離れて暮らす家族に、ろくに手紙も書かない。たまに書いてもものすごい悪筆で、とても読めたものではない・・・家政婦に手を出し、子どもを産ませている(p169)


・文豪ドストエフスキー・・・痔にも苦しんでいたし、賭博癖も抱えていた。しかし、何より彼を苦しめてきたのは若い頃から患っていた「癲癇(てんかん)」の発作だろう(p208)


・50代になると、裕福だったはずの彼は、印刷機への投資の失敗などで多額の借金を抱えてしまう・・・「また働かなくてはならない」そう彼(マーク・トウェイン)は、愚痴をいったという(p239)


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▼引用は、この本からです
「人間愚痴大全」福田 智弘
福田 智弘、小学館集英社プロダクション


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章 ~20代の愚痴
第2章 30代の愚痴
第3章 40代の愚痴
第4章 50代の愚痴
第5章 60代~の愚痴


著者紹介

 福田智弘(ふくだ ともひろ)・・・1965年埼玉県生まれ。東京都立大学卒。歴史、文学関連を中心に執筆活動を行っている。おもな著書に『ビジネスに使える「文学の言葉」』(ダイヤモンド社)、『世界が驚い たニッポンの芸術 浮世絵の謎』(実業之日本社)、『よくわかる! 江戸時代の暮らし』(辰巳出版)などがある。


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